チビー's(長編)

□目が覚めたら身体が!
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安室side





朝、起きたら、赤井の姿が成長していた。自分の姿を見下ろしてみたが、変わっていなかった。何故赤井だけ成長したんだ?…チッ。



味噌汁のお椀を両手で持つ僕に比べて、赤井は片手で持てるようになっていた。…チッ。



歯磨きをするとき僕は台に登ってするのに、赤井は台が必要なくなった。…チッ。



買い物についていけば歩幅や迷子防止にカートに乗せられる僕に比べて、赤井は一人で歩き手伝いまでしている…チッ。



なんで僕はこのままなんだ?なんで赤井は成長した?僕と赤井の違いはなんだ?違いがありすぎてどれが正解なのかわかったものじゃない…チッ。



「透くん。舌打ちしすぎ。気持ちは分からなくもないけど、焦っても仕方ないよ?」
「わかってます。でも、ぼくはいつまでもこのままなんてイヤです。」
「そうだね。早く元に戻るといいね。」



この時のナマエの表情を僕は見ていなかった。



買い物から帰ると、ナマエさんは部屋に引きこもってしまった。僕はなにか彼女の気に触ることをしただろうか?



夕飯の時間になり彼女は部屋から出てきたが、顔色があまり良くない。体調を悪くしたのか?大丈夫だろうか?



「むりはするな。ゆうはんくらい自分たちでなんとかする。」
「うん。ありがとう。でも、大丈夫。作らせて?」



食事を作ることは欠かさないナマエさんだが、自分の分はないに等しい。こんな少食だから体調を悪くするのではないだろうか?



「ナマエさん、もうすこしたべたほうがいいですよ?むりなダイエットはからだをこわします。」
「うん。そうだね。心配してくれてありがとう。でも、ごめんね。」



ナマエさんは体が小さくなった僕たちよりも少食だ。再三言ってきたが、彼女は頑なだった。食事をとることになにか不都合でもあるのだろうか?



彼女の情報はまだ足りない。
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