10万人突破記念

□それが組織の命令なら
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「この俺が直々に殺しに来てやったんだ。ありがたく思えよ。」



そう言ってジンはニヤリと笑い引き金を引いた。



裏切り者には死を。その制裁がたった今終わった。コードネームもない下っ端ではあったが、薬の密売人と繋がっていた。



こちらの情報をそこらの密売組織なんざにくれてやる気はねぇからな。



「ウォッカ、後始末しとけ。」
「ヘイ。」



今は使われていない工場跡地で秘密裏に行われた処刑。死体処理をウォッカに任せ、外でタバコを咥えた。



「ん?」



パトカーのサイレンが聞こえる。



「チッ」



警察が嗅ぎつけやがった。もしかしたら殺した奴が呼んでいたのかもしれねぇ。



「ウォッカ、行くぞ。」
「………。」
「おい、どうした。ウォッk」



ガチャ



俺の後ろで銃のヘッドを起こす音がした。気配を消して俺の後ろを取るとは、何者だ?



「もうすぐ警察が来る。悪いようにはしない。ついてきてもらうよ。」
「俺が言うことを聞くとでも思ってんのか?」
「思ってない。でも、このままここにいたら日本の警察がやって来る。選択肢はないんじゃない?」



背後にいるのは一人。俺の背後を取って油断している今なら殺すのは簡単だ。しかし、俺の後ろを取るこいつが何者なのか、聞き出してからでも遅くないと思い、この余興に付き合ってやることにした。
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