マーブル《シーズン3》

□殺気を当てられた
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退院して安室さんと一緒に暮らし始めて2日目の朝。



「出かけませんか?」



と言われた。



「えと、何処にですか?」
「そうですね。気分転換にドライブでもどうですか?天気もいいですし、好きなところに連れて行ってあげますよ。」



出かけるって言うから、電車の線路に突き落とされるイベントが発生するのかと思ってドキドキしてしまった。でも、ドライブか。車なら線路に突き落とされる心配はないよね。



「海が見たいです。」
「わかりました。では、寒くないようにして行きましょうか。」



防寒対策をしっかりとして、私たちは安室さんの車に乗り、海までやってきた。



シーズンオフのため、浜辺には人も少なく、静かで波の音だけが聞こえる。少しさみしい気もするけれど、今はこう言う静かな場所が落ち着く。



「浜を歩いて見ますか?」
「はい。」



砂浜に降りて、ゆっくりと歩く。転ばないように安室さんが手を繋いでくれたけど、私はそんなに鈍臭くない…はず。



でも、その手は離さずに私も安室さんの大きな手をしっかりと繋いだ。



少し歩いて、浜辺の先にある公園のベンチに並んで座る。



そこで気がついた。



あれ?これってデートみたいじゃないか?不謹慎だけど、手を繋いで仲良く浜辺を歩いて、公園のベンチに仲良く並んで座っている。………うわぁ。



客観視したら、自分の行動が急に恥ずかしくなってきた。



私は何をしているんだ!?



今更手を振りほどくのも気が引けるけど、このままも恥ずかしい!!誰か!助けて!!
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