マーブル《シーズン3》

□向かう先は
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気がついたら病院のベッドの上でした。



何が起きたのか、思い出してゾッとした。



「安室さん!」
「はい。目が覚めましたか?気分はどうですか?」
「大丈夫です!それよりも安室さんの怪我は?」
「ちゃんと手当てしてもらいましたし、大丈夫ですよ。」



安室さんの大丈夫はあまり信用できない。きっと大丈夫じゃなくてもそう言うだろう。



「ごめんなさい。私のせいで。」
「なまえのせいじゃないですよ。悪いのは犯人です。だから気にしないでください。」



にっこりと笑って私の頭を撫でてくれる。



このままじゃダメだ。私に出来ることをしないと、本当にみんなが血を流すことになる。



私は犯人と戦う知恵も武力も持ってはいない。



でも、出来ることはあるはず。



誰も傷つけないように、私は私のやり方で戦うんだ。



目暮警部に呼ばれて安室さんが病室を出た。病室の外で安室さんと警察が話し合ってる声が聞こえる。私の命が狙われたことで、護衛がつくそうです。安室さん的には自宅前に警察が張り込むのはアウトじゃないのか?………うん。これをうまくすれば。



安室さんが戻ってきた時に一つ提案をする。



「あの、安室さん。私一人暮らしだったんですよね?そっちの家に帰ることはできないんでしょうか?」
「一人は危険です!現にあなたは命を狙われた。また犯人が来るかもしれないんですよ!?」
「でも、自分の家の方が、何か思い出すかもしれないし、記憶が戻れば、犯人も捕まえられるんですよね?」
「その可能性は高くなりますが、危険を冒してまで記憶を取り戻さなくても。」
「ダメですか?」



食い下がらない私に、安室さんはしばし考え込む。



「………条件があります。」
「条件?」
「はい。僕もなまえのアパートに一緒に住みます。それが妥協点です。」
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