マーブル《シーズン3》

□全ては犯人のせいだから
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苦しい。足も痛い。休みたい。



パシュン



「っ!」



左腕を銃弾が掠った。すごく痛い。ちょっと掠っただけなのに、焼けるように痛い。逃げなきゃ。私はまだ、死にたくない。



追い詰められて泣きそうになった時、私の手を取ったのは………。



「もう大丈夫ですよ。」
「安室、さん?」
「はい。遅くなってすみません。さぁ、逃げますよ?」



すぐ後ろに犯人がいる。安室さんは私の手を引いて走り出した。



何でここにいるの?どうして来たの?もう、安室さんに傷ついて欲しくなかったのに!



いろんな感情がゴチャゴチャと心をかき乱す。でも、それでも、安室さんの“大丈夫”を聞くと安心するんだ。とてつもなく、泣きそうになる。



犯人の裏をかいてエリアを突き進むと、距離を稼ぐことができた。息を整えている時、思っていたことを、無意識に、口に出してしまった。



「どうして?どうしてそんなに優しくしてくれるんですか?」
「言ったはずです。僕はあなたが好きなんです。誰にも奪われたくない程に。」



………………



新一のセリフがぁぁぁああ!!



犯人に追われてることも忘れて心の中で絶叫した。やっちまった感が半端ない。



トキメキよりも絶望の方が大きかった。



蘭ちゃん、ごめんよ。コナン君、本当にごめんよ。君たちのトキメキシーンを奪ってしまって。



それもこれも犯人のせいだから。



………もう、絶対に許さん!
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