マーブル《シーズン3》
□開けゴマー!
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私の家に帰って来ました。
玄関には沖矢さん、背後には安室さん、アパートの狭い廊下で板挟みされました。
何この、超嬉しくないサンドウィッチ。誰得なの!?
「こんな時間に女性の家を訪れるなんて、非常識ではありませんか?」
「彼女を送って来ただけ、ではなさそうな方に言われるとは、心外ですね。」
ほら始まった。顔合わせれば言い合う。仲良しにも程があるだろ。もう二人でいつまでもやってなよ。いや、ヤッてなよ。
「「気色悪いこと考えないで下さい。」」
なんだよ、息ぴったりじゃん!仲良しじゃん!
「あ、そう言えば沖矢さん。その節はありがとうございました。」
何がとか主語もなく突然のお礼に、安室さんがますます怒気を強くするけど、沖矢さんはどこ吹く風である。
「いえいえ、なまえさんからの可愛らしいお願いを無下にすることなんてできませんから。お気になさらないで下さい。」
しかも沖矢さんの対応が安室さんの感情を逆撫でしてるし。そんな可愛いお願いしてない。私がしたお願いは、【犯人を噴水広場まで誘導するから、狙撃して制圧してくれ。】だったんだから。全然可愛さのカケラもない。むしろ物騒。
結局は安室さんが助けてくれたから、制圧ではなく、犯人のナイフを狙撃してくれたんだよね。安室さんのピンチを助けるなんて、ホント二人はラブラ…。
「「次、気色悪いこと考えたらお仕置きします。」」
ごめんなさい。もうやめます。脳内で家族ごっこ考えるのやめるんで、そんな目で見ないでください。
「玄関前で言い合っているのも近所迷惑ですし、そろそろ家の鍵開けて下さい。それとも、僕がこじ開けても良いですか?」
ギャァ!こじ開けるとかやめて!!ピッキングは犯罪です!…え?蹴破るとかじゃないよね?怖っ!今すぐ開けます!!開けゴマー!!
深夜と呼ぶにはまだ少し早い時間だが、こんな時間にイケメンを二人も家にあげることになるとは…。
お母さんごめんなさい。なまえは不良娘になってしまったようです。