マーブル《シーズン3》

□照れる!
2ページ/2ページ

一発芸、ならぬ特技はサックスに決まったけど、私くらいの腕前では特技としては弱いだろうということで、夜の公園で練習を続けていました。



お巡りさんに補導されました。



「困るんだよね、無許可な路上ライブはさ。違法なんだよ?」
「ろ、路上ライブじゃありません!ただの練習です!」
「でもねぇ。あんなにお客さんが集まっちゃったら!もう練習とは言えないんじゃないかな。」
「そんなこと言われても、お金はもらってませんし。」
「今回は大目に見てあげるけど、道路交通法違反になっちゃうから、もう公園で演奏しちゃダメだよ?いいね?」
「………はぃ。」



練習場所がなくなりました。と言うか、久しぶりに吹いて楽しくなってきちゃっただけなんだけどね。まさかギャラリーできるとは思ってなかったから驚いたけど。



「まぁ、仕方ないか。集客力がある程の腕前なら自信持っていくしかない!」



友人に言われると微妙だ。なんせ、一発芸扱いだったし。



本番まで時間ないから他のことに費やすしかないか。不本意な出場ですが、出遅れてることには間違いないし。………って、あれ?なんで私優勝目指してるの?



気がついたら友人にマインドコントロールされていた!だと!?なんで恐ろしい!!



「はいはい。バカなこと考えてないで、本番の打ち合わせするよー。」



友人にまで読心術の心得があったとは…。



「あんた考えてること丸わかりだからね?“顔に書いてある”とはあんたのためのことわざみたいなもんよ?」



まじか!?そこまで酷いとは思ってなかったわ。せいぜい感情が漏れてる程度だとばかり…。



「あんた、声に出さなくても他人と会話できるの、ある意味特技なんじゃない?」



その手があったか!!



「いや、ないから。」



ですよねー。



「あんた本当に見た目は可愛いのに、その思考がダダ漏れで残念すぎるわー。」



ほっとけ!
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ