マーブル《シーズン3》

□この鈍チンが!
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着替えを済ませ、ティアラとトロフィーを大会本部へ返還する。トロフィーのレプリカとティアラの代わりに大会スポンサーが用意したダイヤのネックレスが贈呈されることになっていた。ティアラなんて高価なものもらって帰れないので、こちらの方が助かります!って言っても、こちらも結構値が張るものなので、大切にしたいと思います。



本部の偉い人に今後芸能活動する気はないかと勧められたが、丁重にお断りした。要するにスポンサーが芸能関係者だったのだろう。だったらあの、アナウンサー志望の子を優勝させればよかったのに。



でも、私の推薦人はアフロディーテ号の処女航海招待券は手放さないと思うので、今更なかったことにはできません。ごめんね。



ようやく解放されました!長かったけど楽しかった。久しぶりにサックスも吹けたし、事件は起きないし、充実した日々でした。



「お帰りなさい。なまえさん。」



さよなら平和、ただいま厄介。お願いだから私を巻き込まないで下さいね。



沖矢さんがいつもの笑顔で出待ちしてました。周辺を見渡すのは、もはや条件反射だと思います。



「お待たせしてしまい申し訳有りません、沖矢さん。」



沖矢さんが微妙な顔したよ。私の他人行儀な態度が気に入らなかったのだろう。ワザとだけどね!!



「昴です」
「お名前存じ上げています。沖矢昴さん。」



ここぞとばかりにミスコン出場に向けて培ったお嬢様キャラを駆使する。



「では、昴と呼んで下さい。」



沖矢さんがそう言って私の左手の指先にキスした。



「ギャア!なななななに、何するんですか!?」



早々にお嬢様キャラが崩壊した。チクショウ!



「いつも通りのなまえさんで安心しました。」



嫌味か!?お嬢様キャラに程遠くてすみませんね!!
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