短編
□泊まりますか?帰りますか?
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試験が終わり、レポートの提出も終わった。
ここ1ヶ月勉強漬けだった私は、今日この時を持って解放された!!やったぜー!!
と、浮かれていた一時間前の私を殴って、危機感知能力を取り戻させたい。もうホントドウシテコウナッタ?
「さ、遠慮しないで食べてくださいね。」
「い、いただきマス。」
アムロサンチデ、ディナーゴチソウナウ。
え?ホントにどうした?私どうした!?って言うか、安室さんの料理の腕半端ないんだけど!?どれもこれも美味しそうなんだけど!?がっちり胃袋掴まれたらどうしよう!?
「テスト期間は会えなかったので、久しぶりに会えて張り切ってしまいました。」
あー、うん。私かなり余裕なかったから、安室さんも沖矢さんもシカトしてた。その自覚はあったけど、その仕返しですか?実は怒ってますか!?
「何だかいらない詮索をしているようですが、僕の好意ですから裏はありませんよ。」
そ、そうですか?怒ってないなら良いんですけど。じゃ、改めて、いただきマス。…パク
「…美味しい。」
「良かった!たくさんあるので遠慮なく食べてくださいね。」
いや、さすがにそんなには食べれない………と、思っていたけど、完食しちゃったよ。美味しいは正義だ!!チクショウ!
ご馳走になってのでせめて皿洗いはしようと思ったけど、やんわりと断られた。食洗機に入れるだけだからと。食後のお茶を啜りながら安室さんを眺める。…ここはポアロか?カウンターキッチンにエプロンして立つ安室さんを見てそう思った…ところまでは覚えていた。
あれ?気がついたら眠ってしまっていた。ハッ!ヨダレは大丈夫か!?思わず口周りを手の甲で拭ってしまった。女子力皆無の自覚はある!でも、寝ているときは無自覚だから仕方ないの!!机にうつ伏せで寝ちゃうと絶対出てきちゃうから!!
誰に言い訳してるのか、一通り口周りとテーブルをチェックしていると、本を読んでいた安室さんがこっちに気がついた。
「目が覚めたんですね。起こそうかとも思ったんですが、あまりにも気持ちよさそうに寝ていたのでやめました。」
人様のお宅で本当に申し訳ありません。
「さて、もういい時間ですし、帰りますか?それとも泊まりますか?」
え?なにその二択。普通に帰るけど?
「実は、車を修理に出していまして…もちろん送りますよ。こんな時間に女性を一人で歩かせるわけには行かないので。ただ、片道一時間弱になりますけど。」
安室さんまたムチャしたんですか?何度クルマを修理に出せば気がすむんですか?って言うか、送ってくれる安室さんは約二時間弱外を歩くことになるって事ですか?…え?なにそれ遠回しに泊まれって事ですか?だが、断る!!
「帰ります。」
「そうですか、では足元に気をつけて帰りましょう。外は雪が降ってますから。」
「雪!?」
今日はやけに冷えるなと思っていたら、雪だって!?窓の外を見ればチラチラと白い塊が残酷なまでに視界を埋めていた。…え?なにこれ、吹雪!?
スキー場が羨ましがるほどの吹雪だった。しかもすでに積雪2センチほど。私一体どれだけ寝てたの?
「帰りますか?泊まりますか?」
ヤバイ、究極の二択だ。吹雪の中一時間歩くのは嫌だ。でも、泊まるのも気が引ける。うーん。
「どちらを選択しても構いませんよ?」
うわーうわーうわー!!私にどうしろって言うのさ!!
悩んだ結果私は
帰る
泊まる