祝!50万人突破記念!!

□揶揄い方
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私には苦手な人がいる。それは……。

「よぉ、名前!」

気安く私に話しかけてくるこの男は松田陣平、爆発物処理班のダブルエースの一人だ。

「髪に花びらついてるぞ?」

そう言って私の髪に手を伸ばしてスルリと髪を撫でる。

いや、花びらとってよ。と心の中で文句を言ってはいるものの、実際は至近距離の松田陣平に赤面して何も言えないのでる。

花びらもとってくれて、ポンと肩に手が触れ、「またな。」と去っていく後ろ姿を軽く睨め付ける。あの男は自分の容姿と色気を自覚していないのだろう。そう言う所が苦手なのである。

心の中のモヤモヤをため息とともに吐き出して、交通課の女性職員から睨まれつつ、私は自分の部署に早足で向かって行った。

そして今日も今日とて犯罪が……なんでこの町こんなに犯罪率が高いんだろう?捜査本部立ち上げの知らせを受けて、会議室の準備に取り掛かる。机と椅子を並べて、捜査資料をコピーして、ホチキスで留めて、机に並べて、会議に使うスクリーンとマイクの音量をチェックし、本部長たちに配るお茶のお湯を沸かす。

事件解決まで雑用をこなしつつ、通常業務をこなさなければならない。……正直、犯人が憎い。

お湯が沸くまでぼんやりと犯人に八つ当たりしていたら、捜査一課の人たちに、過去の捜査資料を探してきてほしいと頼まれた。…サボってるようにみられたのかな?益々犯人に恨みが募る。

過去の資料って探すの大変なんどけとな。心の中で文句を言いつつ、過去の資料を探す。未解決事件の捜査資料だからすぐに見つかった。でも、これは想定外。

なんで未解決事件の資料が棚の一番上に乗ってるのよ!!

ダンボールにまとめて入れられ、棚の一番上にあるのをみてため息が出た。

……脚立持ってこよう。
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