祝!50万人突破記念!!

□積荷を燃やして!
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たまたま近くを通っただけで、まさかこんなことになるなんて。この時の僕はそんなこと想像もしていなかった。

昼間……と言っても、ポアロでそろそろランチメニューの時間が終わろうとしている頃、僕は名前の家の前を通った。その時、偶然にも風が吹いて洗濯物が一枚、ふわりと僕の目の前に落ちてきた。

とても見覚えのあるシャツだった。

大きさといい、色といい、見覚えのあるブランド名といい………まさか、でも、なんで、偶然か、それとも。色々な思考が浮かんでは消え、消えては浮かびを繰り返してる時、パタパタと足音が聞こえ顔を上げれば、名前が驚きと困惑が見事に混ざった顔をしていた。

「あ、ああ、あむ、安室さん!こここ、こん、こんにちは?あの、えっと、い、良い天気ですね!」

動揺しているのが丸わかりで、僕の顔と手に持っているシャツを10往復くらいしている。あ、また往復した。

「こんにちは。今日は洗濯日和ですね。ところで名前。このシャツは「あっ!あむ、安室さん!きょ、今日は、ポアロのお仕事じゃ、なかったんですか?」……ええ。今日は休みでした。ところで名前、このシャツ「わー!あ、あの!毛利探偵の弟子ってどんなことするんですか?」………毛利先生について行って勉強させてもらってます。ところで名前、このシャ「あー!そ、そうだ!!これからバイトがあるんだった!もう行きますね!」………待ってください。名前。」

会話中もなんども僕の顔とシャツを往復する視線。このシャツ、僕が持ってるのと同じなんだけど、名前に貸した記憶がない。なら、このシャツは一体?一度疑問に思ったことは解決しないと気が済まない性分なんだ。このまま帰すわけにはいかないな。ガシッと名前の肩を掴んで引き止めると、名前が涙目で土下座してきた。………ちょっ、待ってくれ。こんな往来でそんなことされたら僕がいじめてるみたいじゃないか!!

「名前。言い訳なら部屋で聞きます。上がらせてもらいますよ。」

拒否権なんて知ったことか。僕は名前の腕を掴んで引きずるようにして名前の部屋に入っていった。
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