短編

□その攻撃力と破壊力は一発KO間違いなし!
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「そういえば、ナマエお姉さんはお家この辺なの?」
「うん。3丁目の方のアパートに住んでるの。」
「3丁目?新一の家の近くですね。」
「新一…君?」
「あ、すみません。幼馴染なんです。3丁目にある大きな洋館知ってますか?」
「ああ、工藤さんのお宅のことかな。」
「そうです!あそこに同じ年の幼馴染がいるんですけど、自称探偵気取って、今は事件追いかけて学校にもろくに来ないんです。」



最後の方の口調は拗ねてるのか寂しいのか、心配しているのか。ちょっとだけ切なくなった。



「蘭ちゃんは、その新一君のことが大好きなんだね。」
「ち、違います!ただの幼馴染です!」
「フフッ、そういうことにしておくね。」



若いっていいわ。青春してるって感じがいいわ。幼馴染の恋。全力で応援してるね!



「サンドウィッチお待たせしました。」



安室さんがコナン君たちのサンドウィッチを持って来たよ。



「ナマエさんコーヒーのおかわりいかがですか?」
「お願いします。」
「かしこまりました。」



なんてことのない店員と客の会話なのに、安室さんに名前で呼ばれると嬉しくなっちゃうから不思議だな。



「ナマエお姉さん、新一にいちゃんの家の近くに住んでるんだね。」
「そうだね。そういえば、その工藤さんの家、今は違う男性が住んでいますよね。工藤さんの表札なのに、住んでる方が違ったので驚きました。」
「!!」
「ナマエさん沖矢さんと知り合いなんですか?」
「知り合いってほどじゃないかな。何日か前にヒールの踵が取れちゃって転んだ所を助けてもらったことがあるの。」



今思い出しても恥ずかしい。5センチの踵がポッキリ取れて、思いっきり転んで膝から血を流してしまった所をバッチリ見られていたなんて。それだけでも恥ずかしいのに、沖矢さんに声かけられて、手当てしてくれるって、お、お姫様抱っこされた、なんて。本当に恥ずかしかった。
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