チビー's(長編)
□目が覚めたら身体が!2
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赤井side
「秀一くん!ちょっと来て!透くんが大変なの!」
先ほど安室君の叫び声が聞こえ、ナマエが慌てて様子を見に行ったが、さらに慌てた様子で俺を呼びに来た。こんな平和な日常で一体何があったんだ?
バタン!バタバタバタ…
?足音が、いつもより重い?成長したのか?しかし、音から察するに…。
「安室君。とりあえず、下着は履いた方がいい。」
素っ裸で鏡を見ている安室君がいた。俺の成長を一気に抜いて喜んでいるところ悪いが、一人暮らしの女性の家に居候している身だ。その姿は不味かろう。
「仕方ないじゃないですか。幼児からここまで一気に成長したんです。不可抗力ですよ。」
「そうだね。仕方がないかもしれないけど、せめて隠してもらえませんか?」
「!!?」
俺の後ろにいるナマエの声が、恥ずかしがっている、と言うよりは、戸惑っている。それはそうだろう。女性の家に成人男性が裸で彷徨いていたら、恥ずかしがってはいられない。身の危険を感じ警戒するのは当たり前の反応だろう。
「あぁ、すみません。タオルお借りします。」
バスタオルを腰に巻き視界的には大丈夫になったものの、ナマエはまだ俺の後ろにいる。
大きめのサイズで買ったスエットを着た安室君とようやく顔を合わせたナマエだが、目を合わせようとしない。
「先に謝っておくわ。私も不可抗力だったけど、その、ノックもなしに部屋に入ってごめんなさい。見るつもりはなかったんだ。」
バツが悪そうにカミングアウトするナマエ。どうやら、叫び声を聞き慌てて部屋に入った時に見えてしまったらしい。
男性経験の有無は知らないが、朝だったことを考慮すると、ナマエが戸惑っていたに納得した。
これはしばらく、安室君とギクシャクするかもしれないな。