10万人突破記念

□それが組織の命令なら
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工場跡地の裏手の獣道を下ると車があった。こいつの車なのか。なかなかいい趣味してやがるな。



車を走らせること1時間。いい加減どこ行く気なのか、こいつが何者なのか、シビレを切らした。



「おい、どこに向かってやがる。」
「え?別に行き先なんて決めてないけど?」



鼻歌でも歌い出しそうなほど上機嫌でバンドルを握るこいつは一体何者だ?



「お前何者だ?サツか?」
「プッ!あはは!警察?やだ、何の冗談?たった今警察から逃げてきたんじゃない!」



こいつの遊びに付き合うのも飽きてきた。銃をこめかみに当てて睨む。が、こいつはまだ笑ってやがる。



「そう怒んないでよ!まぁ、もうちょっとだからさ。それに、この車結構いい車っしょ?私を殺すなら車内じゃなくて降りたところを狙ってよね。私の可愛いジャガーちゃんを汚さないでね。」



確かにこの車は良い。ジャガー・XK150。1957年から1961年までイギリスで生産したスポーツカーだ。優雅な曲線とユニークなヘッドライト。高級感の溢れる車だ。



「車の趣味は褒めてやるが、テメェの性格は最悪だな。」
「あはは、ありがと。」



車はある敷地に入った。結構な広さとセキュリティの屋敷だ。



「ここ、私の家。寛いでって。」
「何が目的なんだ?俺を拉致し監禁でもするつもりか?」



望み通り車から降りたところで銃を突きつけると、こいつはキョトンとした顔をした。そして、また笑った。



「あはは。本当に面白いね。でも、そんなことするつもりないから帰りたかったら帰って良いよ。」



勝手に連れてきておいて帰っていいだと?ふざけているのか?



「俺の質問に答えろ。お前は何者だ?」
「フフッ、私の名前はなまえ。この世界じゃちょっとは知名度があると思ってるんだけど。」
「お前が?護衛、人殺し、サイバーテロ、依頼料次第で何でもやるなまえ?」
「正解!ご入用はお金次第!で、あなたをここに連れてきたのも私の仕事。」
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