10万人突破記念
□それが組織の命令なら
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嵌められた。最初から目的ははっきりしてやがった。
「俺をここに生きて連れてきたってことは、生け捕りが仕事か?誰に依頼された?」
「んー。本当は守秘義務があるんだけど、いいよ。教えてあげる。」
なまえはそう言って携帯をかけ始めた。
「Hello、mission clear. My win. 」
一体どこの国から依頼された?俺を生け捕りにして何が目的だ?
「依頼人が変わって欲しいって。」
「何だと?」
携帯を受け取り耳に当てる。組織のNO2、RAMだ。本物かと疑うところだったが、とうやら、こいつに課したテストだった。俺を生け捕りにできたら幹部に仲間入りだと。俺は今いる場所や状況を話しRAMから命令を受けた。
「おい、なまえ。テメェは今日から組織の幹部。名はギムレットだ。」
「ギムレット。フフッちょっと期待してもいいのかしら?」
「ああ?」
「何でもないわ。これからよろしくね。ジン。」
「チッ」
ギムレット。ジンベースのショートドリンクだ。だが、ベースを変えると酒の名も変わる。ウォッカをベースにするとウォッカ・ギムレット。ラムをベースにするとラムレット。依頼料次第で何でもこなすこいつには似合いの名だと思った。
が、どこかでギムレット以外の名で呼ばれることに苛立ちを覚える。
こいつは俺が………。俺が、何だ?
「チッ」
こいつといるとイライラする。
「まぁ、気に食わないのはわかるけど、ウォッカがここを割り出すのは難しいと思うから、諦めて一杯どう?」
グラスを差し出すこいつに再び「チッ」と舌打ちをしてグラスに注がれた酒を一気に喉に流し込んだ。