マーブル《シーズン3》
□向かう先は
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安室さんの家を警察に張り込ませないための提案だったし、こうなることは予想してた。むしろそうなるように仕向けたのだから。
一泊の入院を余儀なくされましたが、無事に自宅に帰れることになりました。
いつものごとく、安室さんの車で送ってもらう。
「必要なものを取りに行きたいので、一度僕の自宅によりますね。」
「いえ、その前に私をさきにアパートに送ってもらえませんか?」
「一人になるのは危険です。」
「刑事さんも見張っててくれますし、大丈夫です。」
「それでも、「部屋を見て起きたいんです。その、一応、確認のため、片付けとかもしたいですし。」片付けなら一緒にしたら良いじゃないですか。」
「私も女なので、察してください。」
「………わかりました。でも、僕が戻るまでの間、誰か来ても絶対に玄関を開けちゃダメですよ。何かあれば必ず外にいる警察か僕に連絡してください。なるべく早く戻りますから。」
「フフッ。わかりました。」
なんだか小さい子に言い聞かせるみたいだった。安室さんは真剣そのものなんだけど、つい笑ってしまった。
「なまえの笑顔を久しぶりに見た気がします。」
「そ、そうですか?」
やめてくれ。二人きりで甘い雰囲気になるのは恥ずかしい!
「すぐに戻ります。良い子で待っていてくださいね。」
アパートについてすぐに私を下ろすと、安室さんはすぐに車を走らせた。法定速度ギリギリだと思うけど大丈夫?すぐそこにお巡りさんがいるよ?
千葉刑事が車で張り込んでくれている。近くに不審な人影もない。私は一度自宅に戻り着替えを済ませて、いくつか電話をかける。
彼と約束をした。
出来ることをすると。
だから私は、自分に出来ることをしようと思う。この映画のラストに向けて。
向かう先は、トロピカルランドだ。