短編

□ダメとは言われなかったから
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「風呂の準備できてるから先に入ってこいよ。それからご飯一緒に食べよう。」
「はーい。」
「久しぶりに一緒に入るか?」
「バカ。」



荷物をリビングに置いて、バスタオルと着替えを持ってバスルームに行くといい香りがした。入浴剤入りらしい。



軽くシャワーをかけた後、湯船に浸かる。バスタブにお湯を入れたの何ヶ月ぶりだろう?じんわりと温かさが体に染みる。



「うーん、気持ちいい!」
「それは良かった。」
「と、透!?何でいるの!?」



本日2度目のセリフである。



「だってナマエ、さっき「ダメ」とは言わなかっただろう?」



屁理屈か!?今時小学生だってそんな言い訳使わないよ!?



「ほら、頭洗ってあげるからそのまま浴槽の縁に頭乗せて。」



頭乗せても痛くないようにタオル引いてくれるあたり流石です。ツムジを透に見せるように頭を向けると、透は慣れた手つきで頭を洗ってくれる。すっごく気持ちいい。



「男の人に頭洗ってもらうのって気持ち良い〜。」
「それは良かった。」



トリートメントまでしてもらった。至れり尽くせりってやつだ。



「じゃ、次は体ね。」
「か、体は自分でやるから!」
「遠慮しなくても。」
「遠慮じゃなくても恥ずかしいからヤダ!透はそっち向いてて!」



洗ってるところを見られるのだって恥ずかしいのに、洗われるなんて……羞恥で死ねる。
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