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□猫が寂しがるから
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名前side

内緒で付き合っている彼氏が同じ課に移動してきた。正直、嬉しさよりも苛立ちの方が大きい。

特殊班は女性の少ない課だし、訓練のため警視庁内とは別場所に待機していることが多い。だから安心していたのに、警視庁内には交通課や総務課など女性が多いところに来ちゃうなんて。ほらまた、サングラス取っただけであちこちから視線を集めてるし、身長高いのに姿勢いいから目立って女性のため息があちこちで聞こえるよ。

なんで私ばかりこんなにヤキモチ焼かなきゃいけないの?それもこれも陣平が格好良くて頭も良くてぶっきら棒に見えて面倒見が良いのが悪い!!

総務課の女性に声かけられて、何嬉しそうに答えてるのよ。なんか、本当にムカつく。

モブA「名前さん。今度ご飯でも一緒に行きませんか?」

うわ、またこいつか。この人何回も声かけて来るんだよね。その度に断ってるのに懲りずにまた誘いに来たの?いい加減諦めなよ。

あ、陣平こっちきにしてる?……ふふん。ちょっといい事思いついたわ。

「帰りが遅くなるとウチにいる猫が寂しがるからごめんね。」

猫なんて飼ってないけど、ある意味猫みたいな人だからね。自由で気ままで気まぐれで。いつも私を振り回す、人。

モブA「へぇ、猫飼ってるんだ。写真とかないの?」
「あるけどダメ。うちの子可愛すぎてヤバイから。」
モブA「益々気になるんだけど!?」

ツーショット写真はあるけど、内緒だから見せられないよ。……いや、内緒じゃなくてもオフの陣平は誰にも見せたくないかも。

モブB「何々?名前の猫の話?」
「うん。すっごく可愛いの。でも、たまに男前。」

家にいるときは気まぐれだけど時々すごく甘えて来たり、でも私が体調悪いときはおかゆ作ってくれたりして優しくて、ギュってしてくれるとあったかいんだ。

モブB「へー、名前は?」
「じんぺいって言うの。」
松田「ゴフォッ!」
「あれ?松田くん?いたの?」

飲んでたコーヒーを勢い良く吹き出した陣平に軽く睨まれてしまったけれど、少しは溜飲が下がりました。
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