祝!50万人突破記念!!

□揶揄い方
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なんだかんだあったが、事件は無事解決した。そして、捜査本部の置かれた会議室の片付けは私達の仕事である。机と椅子を荷台に乗せて倉庫に運び、スクリーンやマイクなどの機材のチェックをして片付け、捜査で消費した消耗品をリストに上げ、会議室を掃除する。最終的には外注の清掃員が入るので、万が一捜査資料などのメモ一枚でも残しておけないので、チェックついでに簡単に掃除をするのである。

最終チェックを終えて会議室から出ようとした時、誰かが入ってきた。

出入り口でバッティングしたのは、松田陣平だった。

「こんなところにいたのか。」
「……私に何か用ですか?」

こんなところとは随分な物言いだが、捜査本部が解散した後のことなんて捜査一課をはじめ、特殊班の人が知るはずもないだろうと思い、若干イラっとしたが、大人の対応を心がける。

「これ、やるよ。」

松田陣平はそう言って何かを掴んでいる手をこちらに差し出した。

私は両手で受け止めると、手の中には飴玉が一つ。……この人はこの飴を私に渡すために、わざわざここに来たの?

キョトンと貰った飴と松田陣平の顔を交互に見る。

「昼に餃子食ったら、レジのおばちゃんが飴くれたからやるよ。」

なんと、餃子の臭い消しの飴ちゃんを私にくださったのか。……素直に喜べない。

なんでこの飴を私にくれたのか……え?私口臭いの?

微妙な顔をしていたら、面白がるように私をみている目の前の男がいた。あ、またからかわれたのか。いちいち反応するのも馬鹿らしくなってきた。

その場で飴を口に放り込んだ。ミント味だ。

「ありがとうございます。」

口の中でモゴモゴと飴を転がしながらお礼を言ったら、松田陣平はゆっくりとサングラスをとって、私を見ながら手を伸ばしてきた。
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