マーブル(番外編)

□楽しい時間の裏側では緊迫した状況が続いていました。
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日本に来ていたFBI捜査官の一人が、3日前から行方不明だった。その捜査官の名前はカーク・マグナベル。日本の一般人女性の護衛を担当したことがある捜査官だ。



「カークの居場所はまだ掴めないの!?」
「足取りを追っていますが、3日前から途絶えています。」



アメリカ連邦捜査局日本支部では捜査官の居場所を躍起になって探していた。



「カークが組織によって連れ去られた可能性もある。ミョウジ君の保護も検討する必要があるな。」
「この日本で我々FBIが日本人を保護することは違法になる。まずは日本の警察組織に連絡をし手続きを…」



上層部の指示が曖昧な上に、ここは日本。アメリカの捜査員がしゃしゃり出るわけにも行かなかった。



「仕方がない。赤井君に連絡し密かに警護するように伝えるんだ。」



現在、赤井秀一は沖矢昴として大学院生の一般人を装っている。警護と言う名の保護をするにはうってつけの役回りである。



上層部の指示により、赤井秀一、基、沖矢昴はFBI捜査官の行方不明を独自に捜査しつつナマエの護衛をしていた。しかし、常に一緒にいるわけにも行かず、こっそりと身辺警護をしていた。



そんな時、うっかり顔を合わせてしまったために、ついでにナマエをお茶に誘い、カークと連絡を取っていないか探りを入れた。彼女は日本に来てから一度もカークとは連絡を取ってはいなかった。カークからも連絡はないそうだ。もはや手がかりは尽きた。



カークが行方をくらませてから4日目の朝。彼は遺体で見つかった。交通事故を装ってはいるが、発見時カークの遺体は両手両足の骨は折られ、背中や腿には火傷の跡が、爪は削がれ、全身に切り傷と打撲痕、何発か銃創痕もあった。…組織の拷問を受けていたのは間違いがなかった。



それでもカークの遺体がFBIの元に帰って来た。



組織の仕業なら秘密裏に遺体を処理しそうなものの、こちらに返したと言うことは、見せしめか、宣戦布告、或いは全く別の意味があるはずだった。



何にしても、カークが殺されたと言うことはナマエにも危険が及ぶ可能性が極めて高くなった。一刻も早く保護しなくては。



同時刻、ニュースを見ていた江戸川コナンも、カークの事故死が引っかかりナマエの元を訪ねて来ていた。
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