マーブル《シーズン3》

□背景はピンクの薔薇
1ページ/2ページ

あの事件の後もう一人、警察官が自宅の駐車場で射殺された。



やっぱり犯人が全く思い出せない。新一のセリフが偉大すぎたのか、どんなシュチュエーションだったかさえも思い出せない。妄想フィルターが暴走して告白シーンのバックがピンクの薔薇なんだけど?一体どこの少女漫画だ?今時告白シーンに(謎の風は吹いても)薔薇は背負わない。本当に私の記憶力当てにならない。



「考え事ですか?」
「安室さん。刑事さんが殺された事件について考えていました。」
「ほー。珍しいですね。危険なことには極力関わりたくないと考えるあなたが、事件のことを考えているなんて。」
「警察関係者にしっている人がいるので、心配なだけですよ。」
「それは、高木刑事の事ですか?」
「!?」
「あなたは本当に顔に出やすいですね。それとも、僕を嫉妬させたいんですか?あなたを口説いている男の前で他の男の事を考えるなんて。その喧嘩、買いますよ?」
「売ってませんのでお引き取りください。それと、誤解なので言っておきますが、私が惚れそうなのは、佐藤刑事です。」
「佐藤刑事、ですか?」
「かっこいい女性って憧れなんです。」
「憧れですか。では、好みの男性は?」
「好きになった人です。」
「ほー。それは、僕、と言う事ですか?」
「なんでそうなるんですか!?」



前回渡しそびれたお礼のクッキーを持って、ポアロで働いている安室さんに渡して帰るつもりが、なんでこんな会話してるんだろう?



クッキーをお礼に渡して、コーヒーのお礼返しいただいたのが悪かったのか?さっさと帰ればよかった。



「あれ?なまえおねーさんと安室さん、何話してたの?」



カランカランとドアベル鳴らしてやってきたのはコナン君だった。



「ブフッ!」
「ちょ!なまえおねーさん!?大丈夫?」
「拭くのも持ってきます!」



ゴホゴホと噎せる私の背中を摩ってくれるコナン君。私はそのコナン君が一瞬、ほんの一瞬だけ、バックにピンクの薔薇を背負った少女漫画バージョンに見えて噎せました。とは、口裂けても言えない。くそっ、謎の風まで吹いてやがった!!



自分の思考回路の残念さに眩暈を覚えた瞬間だった。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ