祝!100万人突破記念!!

□仮面舞踏会
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友人の強引な勧めで大学のミスコンに出場し、まさかの優勝。それがきっかけでこんな経験するとは思わなかった。




遡ること一週間前。

大学の事務局長から呼び出しがあり、何事かと戦々恐々しながら訪れたら、事務局長は白い封筒を私に差し出しながらこう言った。

「今週末、S商社主催のパーティーに出席してください。これ、招待状です。」

意味がわからずポカンと事務局長の顔を見ていると、情報が追加された。

「今期のミスコンの主催社の一つだから、大学側としては君には是非参加してもらいたんだ。」

なんということでしょう。拒否権が初めからないなんて。しかも今週末。何の用意もないのに、イジメとしか思えない。

「急なことで君も用意が足りないだろうと、S商社からドレスも届いているよ。ドレスはそこのテーブルの上に……。」

……拒否権っていうか、強制力ハンパないな。これもミスコンの仕事だと思って観念するしかないだろう。ここで駄々こねて大学から目をつけられるわけにはいかないし。

「はぁ、わかりました。」




この時、このパーティーについてもっと詳しく聞いておくべきだった、と後で後悔することになるわけだが。聞いたところで拒否権なんてなかったんだから、これはもう不可抗力と事件吸引機の仕業だと、奥歯噛みしめて耐えるしかないんだろう。

はぁ、ほんと、何でこんなことになったのか……。
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