10万人突破記念
□可愛い人
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赤井side
「シュウ。今日はもう帰って休んだ方がいいわ。あなた一体何日帰ってないと思ってるの?そろそろ帰らないとなまえに愛想突かれちゃうわよ?」
「それは困るな。」
ある組織を追って日本に来ているFBI捜査官の赤井秀一は、ここ数日家に帰らずに捜査会議や情報収集に駆け回っていた。
組織壊滅を誰よりも願っているのもあるが、それとは別に家に帰り辛い状況があった。
誤解があると困るので先に言っておくが、同居人のなまえのことはちゃんと好きだ。同情でも親愛でもなく、彼女を愛している。
女にここまで溺れたのは初めてのこと。骨抜きにされたのだ。
彼女の前に立つとどうにも、自分が自分じゃないようで困惑する。でも、会いたいのも確か。嫌われるの言語道断。
今日は彼女の元に帰ろう。
「お帰りなさい。」
ニコニコと嬉しそうに笑顔で出迎えるなまえ。抱きしめてキスしたいが、グッと堪える。ここは玄関。こいつを困らせたくない。
「お夕飯作ったんです。先に食べますか?それともお風呂にしますか?」
お前が良い。とは言えない。気を緩めると柔らかそうな足やプルプルの唇に食いつきたくなる。両手を握りしめて堪える。
「先に風呂にする。」
脱衣所に入って一旦冷静になる。
落ち着け俺。高校生じゃあるまいし、会ってすぐにガッツクなんてあり得ないだろう。少し頭を冷やすんだ。
冷たいシャワーを頭から浴びて雑念を捨てる。なまえと久しぶりに会えたのだから、もう少し余裕を持って接してやらないと。たくさん話を聞いて………たくさん可愛がってやりたい。待て待て待て俺。全然雑念を捨て切れてないじゃないか!!
熱くなる体を冷やすため、冷たいシャワーを浴び続けた。
「お湯加減、大丈夫でしたか?」
「ああ」
…しまった。湯に入るのを忘れた。