10万人突破記念
□勘違い
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ポアロの仕事を終え、今日は時間に余裕ができたので、なまえの家に行こうと思った。なんの連絡もなく玄関の前までやって来た。玄関ベルを鳴らそうと指を出したところで止まった。
中から声が聞こえるのだ。
誰かと会話をしているのか?一体誰と?
「ふふっ、赤井さんも好きなんですね。」
「ああ。可愛らしいな。」
あ、赤井だと!?密室で二人きりであっているのか!?危機管理が足りないだろう!相手はあの赤井だぞ!?
「触ってみますか?」
「良いのか?」
「優しくお願いしますね。」
「了解」
おい!一体どこ触る気だ!!って言うか、触らせたらだめだろう!
「そこ、良い感じです。」
「ここか?」
会話は二人分しか聞こえない。他に誰かいる気配もない。赤井貴様!
「なまえも触るか?」
「でも、ちょっと怖くて」
「大丈夫だ。怖がらなくても良い。」
何二人で甘い時間を過ごしているんですか!?真っ昼間から!!
「きゃっ」
「赤井イイイィィィ!!」
なまえの小さな悲鳴を聞いて、思わず扉を蹴破っていた。
「え?あ、安室さん?どうして?」
「安室君。もう少し静かに入って来てくれないか?猫が逃げてしまった。」
キョトンとしているなまえとニヤニヤしている赤井の姿を見て、俺は瞬時に理解した。赤井に嵌められた!!
どうやら二人で怪我をした猫を介抱していただけだったようで、ちゃんと服も着ているし、いかがわしいことなどなにもなかった。
「何を勘違いしたのかわからんが。扉を直さないと、なまえはここには住めんな。俺のところに来るか?」
「赤井イイイィィィ!!」
俺が扉の前に居ると知っていて会話を誘導していたのか!?でも、なまえは渡さん!!扉はもちろん直すが、その間俺が面倒を見る!!下がっていろ!
猫は逃げるし、扉は壊されるし、なまえのため息は喧嘩している二人には届かなかった。