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□2さいです!番外編
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名前からもらった薬型の飴は本当に何の変哲も無いただの飴だった。研究員が成分検査をした後でかけらを食べたらしいが、何も変化はなかったと報告を受けている。


ただ、この商品を売った店や製造会社については、どこをどう調べても見つけることができなかった。菓子については問題ないが、菓子を作った会社だけが謎だという結論に至り、FBIは今後も捜査対象として調査をするらしい。


そして、最後の一つをもらってしまったお詫びに、調べた成分を元に飴を複製した。『味は保証する。』と研究員は言っていた。


そんなものを託され、名前にいつ渡そうか悩んでいたら、好機は突然やってきた。


「こんにちは、博士。今日は先日依頼した件で伺いました。」
「おお、名前君、待っておったよ。」


隣の阿笠博士の家に名前がやってきたのを盗聴器が受信した。何やら博士と名前で防犯グッズの新作を作っているらしい。身を守るための術なら何でも身につけてほしい。命は一つしかないのだから。


しばらく盗聴していると話し合いが終わったらしく名前は帰ると言っている。さて、俺も名前を迎えに行くか。


博士の家から出てきた名前は工藤邸を見ないように早足で去ろうとしているが、盗聴で先回りし待ち伏せした俺からは逃げられない。


「おや、名前さん。お久しぶりですね。」
「す、すす、すば、昴さん!!?お、おお、おひさ、お久しぶり、デスネ。」
「良かったらお茶でも飲んで行きませんか?」
「え?お断りしま「飲んで行きますよね?」………はい。」


押しに弱い名前は降参するように首を縦に降り、俺の数歩後ろを歩く。今は元気がないが、リビングで香りの良いお茶を出すとフワリと笑う。この顔に俺は惚れているんだろう。良くも悪くも考えていることが顔に出てしまうからこそ、この表情は俺にとって最も大切で守りたいものだろう。


押しても引いても靡かないからこそ、名前が俺を選ぶその日まで、守ってやるさ。
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