チビー's(長編)

□さっぱりわからん
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家主と思われる女性が寝室に入っていたのを赤井と見送った。信じてもらえたのかはわからないが、とりあえず今日のところは追い出されずに済んだようだ。さて、これからどうしたものか。


念のため寝る前に、自分たちに起きた事をもう一度振り返ってみることした。


 この世界に来たのは夕方の6時を少し過ぎたころ。僕は組織の仕事で取引現場にいた。取引はうまく行ったが、どうやら現場には別のギャングとマフィアの取引も行われていたようで、いわゆるWブッキングだった。そこに、マフィアを追っていたFBIが現行犯で取り押さえるために発砲したもんだから、こちらも巻き添えを喰って、マフィアが用意していた爆弾が爆発し、気が付いたら、俺と赤井は幼くなってここにいた。・・・正直、最後の一文だけ意味が分からない。目が覚めて知らない場所に子どもがうつ伏せで倒れていたら誰だって心配するだろう。駆け寄って声を掛けてみたら、見覚えのあるニット帽に癖のある前髪。気が付いた子供の翡翠の見て、思わず胸倉つかんでしまった。”しまった。”と思ったのは一瞬で、その子供は俺に「安室君か?」と説いてきたので「赤井ィィ!!」と叫んで、僕の怒りのボルテージは一気に上昇し小一時間赤井に説教していた。


 僕が一息入れたのを見計らって赤井は一言「どうやら俺たちはとんでもないことに巻き込まれてしまったようだ。」と言った。そこで僕は怒りのボルテージをさらに振り切った。


「僕の日本で勝手なことをするからだ!FBI!」
「ところで安室君。きみは今の状況を少しは理解しているのか?」
「取引をあなたたちFBIに邪魔されて、挙句、爆発に巻き込まれてどこかに連れてこられた。ってところでしょうか?」
「ああ、それならまだよかったんだが。どうにも、話はそう簡単じゃなさそうだ。」


 赤井はそう言って僕に手鏡を向けた。そこに移っていた自分を見て「はあぁぁぁ!?」と声を大にして驚いた。今の僕はコナン君よりも幼くなっている。推定年齢3〜4才。手で顔を触ってみると。その手の小ささに驚いた。「な、な、な・・・」最早、口からは意味を持たない言葉が漏れるだけ。爆発に巻き込まれて退化した・・・だと!?赤井を振り返れば、僕より少しだけ上なのか、コナン君くらいには見える。なんか、悔しい。


 状況が分かったようで全然わからない。冷静になれ。


「赤井。あなたは現在の状況を理解しているのですか?」
「さっぱりだ。」
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