チビー's(長編)

□平和な一週間
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 仕事を辞めて、見た目は幼児中身は大人な二人と同居することになって一週間。彼らはまだ我が家にいる。そして、私のほうでも役所や知り合いの警察にそれとなく探りを入れてみたものの、彼らにつながるヒントすら何も出てこなかった。しかも、会話の中にそれとなく原作に関わる単語やワードが出てくるでてくる。私の知らないワードなどは検索掛けて調べてみると、公式さんが秘密裏につぶやいていたりすることだったりで、もはや、彼らは本物の公安で探偵の安室透(降谷零)とFBIの赤井秀一で間違いなさそうである。


 以上がこの一週間で分かったことである。


 そして問題なのが、彼らはどうやってここに来たのか、そしてなんで幼児化しているのか。ということだ。こればかりは検索してもわからなかった。アポトなんとかと言う薬を飲んだわけでもなさそうだし、お手上げ状態である。


「あかいぃぃぃ!それはぼくのコーヒーだ!のみたければじぶんでいれろ!」
「ああ、そうだったのか。すまない。もうひとくちのんでしまったが、かえしたほうがいいだろうか?」


 で、こっちの気も知ってか知らずか、彼らは毎日あのように喧嘩をしている。本当に勘弁してください。


「はいはい。透君、コーヒーなら入れてあげるから喧嘩しないでください。それと、秀一君。たばこはダメって言ったでしょう?」


 この一週間で何度口にしたか、赤井秀一はかなりのヘビースモーカーだっだようで、気が付くと隠したはずのたばこを持っている。一緒に買い物に行くと、知らないうちにカゴにお酒も入れられていて驚いた。未成年、というか、幼児の姿でやめてほしい。


「口寂しいならこれ食べててください。」


 そして私は、そんな秀一君の口寂しさを埋めるために、野菜スティックをテーブルに置くのである。眉間にものすごいしわを寄せた秀一君は、しぶしぶきゅうりのスティックに手を伸ばしポリポリと野菜を食べるのである。


 透君は秀一君が関わらなければ良い子である。秀一君が関わらなければ・・・。大事なことだから二度言いましたが、透君は何が気に入らないのか、何かにつけて秀一君と喧嘩をしたがる。一日目は仲裁に入っていたけれど、二日目三日目になると恒例行事となっていて、たいていはスルーすることに決めた。
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