チビー's(長編)
□秘密
1ページ/2ページ
安室side
水族館で迷子になってからナマエさんの態度がどこか吹っ切れたように砕けた。今まではどこか一線引いているような(口調が敬語だったりしていたが)、彼女は怒らせると非常に怖いということがわかった。
それと、彼女は僕たちがここに来た日に“仕事を辞めてきた。”と言っていたが、新しく仕事を探していない。生活資金は貯金と退職金で賄っているようだが、(彼女の貯金額は知らないが)彼女の事をあまり知らないのも最近気になっている。気になることは調べればいい。
だって僕は、プライベートアイ!
探偵ですから!(ドヤ)
はじめは素行調査です!
彼女は基本、買い物以外は家にいます。家で本を読んだりテレビを見たりしています。あとは、パソコン。彼女のパソコンには触ってはいけないと言われているので、何をしているのかはわからない。それと彼女の部屋だ。一度だけ入ったことがあるが、家具やカーテンなどは女性にしてはシンプルなものだったが、キチンと整理された、特別変わったことのない普通の部屋だった。女性の部屋に無駄に入ろうとは思わないが、入室を禁止されると探りたくなるのは探偵の性だろう。きっとあそこに彼女の秘密が隠されているはずだ。
「あむろくん。なにをしているんだ?」
リビングを出て彼女の部屋に行こうとしていた所を赤井に見つかった。(クソッ。邪魔しやがって!)
「あなたには、かんけーのないことです。」
「ホー。では、だれにならかんけいのあることなんだ?」
「ぼくにです。」
「うん。で?透君はどこに行こうとしたのかな?」
「!!!!」
背中に鬼を背負ったナマエがすぐそばにいた。小さな体になってから気配を消したり探したり、動きにも無駄が出たりと、うまく行かないことが増えた。・・・とりあえず、どうやってこのピンチを乗り越えたらいいんだ?
「私の部屋に入ったらこの家追い出すから。」
冷静な声だが、怒っている。なぜそこまで必死になって隠すのか。隠されると気になって仕方がない。
いつか絶対に暴いてやります!