チビー's(長編)
□目が覚めたら身体が!
1ページ/2ページ
赤井side
朝、目が覚めたら、体が少しだけ成長していた。ボウヤより少し上、くらいだろうか?着ていたパジャマは小さくなっていて、袖も裾も全然足りなくなっていた。
リビングに行くとナマエが朝食の準備をしていた。この姿を見てどう思うか。俺としては元の姿に近づくことができて嬉しいのだが、子供がいきなり数年分成長したら気持ち悪いだろう。声をかけずにリビングの入り口で立っていたら、ナマエがこちらに気がついた。
「あ、秀一君、おはよ…う?あれ?なんか、違う?」
「少し、せい長したらしい。」
「ホントだ!服がツンツルテンになってる!んー、小学校低学年ってところかな?」
驚いてはいるようだが、嫌がったり気持ち悪がったりはなさそうで一先ず安心した。
「おはようごじゃいましゅ。」
安室君が目をこすりながら起きてきた。まだ、覚醒しきっていない様子だったが、俺を見て一気に目が覚めたようだ。
「にゃ!あかい!?にゃんで、おおきくにゃって!?」
俺は数年分成長したが、安室君は成長していないようだ。個人差があるのか?もとより、人間は縮んだり急激に成長したりしない生き物なんだが。この、非科学的な現象を解明するのは無理があるのかもしれない。
「おはよう。透君は変わってなかったみたいだね。」
「にゃんであかいだけ!」
「はいはい。そんなに睨んだって仕方ないって。朝ごはんにしよう?」
寝起きで早口な安室君は、舌が回らず噛みまくっていることに気がついているのだろうか?
成長した分、安室君がずいぶん小さく見える。…ふむ、庇護欲というのはこういったものに現れるのだろう。