Short Novel

□・目を閉じて
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「・・・ちょっと、目閉じて」

「え?うん」



義人くんの言う通り目を閉じると、
義人くんが私に近づいてきて・・・
キスされると思ってほんの少しだけ身構えた



だけど、いつまでたってもキスはされず・・・
ただ彼の手が目元に触れただけだった



「もう、大丈夫」

「あ、えっと・・・ありがとう・・・」



彼はただ、目元についた睫毛をとろうとしてくれただけで・・・
キスされると思った自分が恥ずかしかった



「美季ちゃん」

「え?な、なぁに?」

「さっき・・・キスされると思った?」

「えっ!なんで・・・っ」

「・・・そういう表情してた」

「〜〜〜っ!」



キスして欲しそうな表情をしてたと言われ、顔が真っ赤になった


バレてたこともそうだけど、そんな表情を
してはなんて・・・っ



「・・・キス、してほしい?」

「えーっと・・・あの・・・」

「目、閉じて・・・それともこのままする?」

「だ、ダメッ」

「じゃあ、閉じて」



慌てて目を閉じた



チュッーー

軽いリップ音とともに、唇に温かく
柔らかいものが触れた



いつもと変わらない普通のキス

それなのに、特別に感じてしまうのは
大好きな彼とのキスだから?



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