Short Novel

□・君を近くに感じたい
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彼を呼び捨てで呼ぶようになってから
暫くたったある日のこと
いつものようの、Waveの楽屋に挨拶にいった



「おはようございます!美季です!
今日もよろしくお願いします!」

「あ、美季ちゃんおはよう!」

「おはよー美季ちゃん」

「義人は美季ちゃんになにも言わないのかよ」

「どうせ義人は朝から美季ちゃんと
イチャイチャしてきたんだろ?」

「美季ちゃんとイチャイチャか・・・
義人が羨ましいよ」

「別に朝からイチャイチャはしてない」

「じゃあ、なんだ?夜からぶっ通しで、
朝までイチャイチャしてたって言うのか?」

「きょ、京介くんっ!」

「だとしたら?」



義人が京介くんを煽るようなことを言い出す


確かに昨夜もずっとイチャイチャしてたし、
朝だってその延長線で、確かにその・・・
イチャイチャしてたけど!

そんなことわざわざ言わなくてもいいのに!




「美季ちゃんが真っ赤になっているところをみると、あながち間違ってないみたいだね」

「りょ・・・亮太くんっ!」

「ケダモノだな。この狼義人め!」

「なんとでも言えばいい」



京介くんの嫌みもどこ吹く風
何事もないように本を読み進める



「お前らなぁ・・・いい加減にしろよ?
美季ちゃんが困ってるだろ?」



見兼ねた一磨さんがみんなを止めてくれる



「彼女のいないやつらに僻まれても、
痛くも痒くもない」



なんて余計にみんなを煽るものだから
収集がつかなくなってきて・・・



「もう!義人ってば!そんなことまで
言わなくてもいいでしょ!」



つい、いつもの癖で言ってしまった一言
でも、気付いたときには時すでに遅し・・・



「あれ?美季ちゃんていつから、義人って
呼ぶようになったの?」

「えっ!あの・・・それは・・・」

「美季、別にもう恥ずかしがることでもないだろ?」

「義人もかよ!メンバーの前でも
イチャイチャして!」

「もう知らないんだから!」

「ごめん・・・帰ったらちゃんとお詫びするから
許して」

怒る私を自分のところに引き寄せ、
膝の上にちょこんと乗せて、一杯抱き締めてくれる


だけど・・・



「なぁ、義人。ここが楽屋で俺たちが
いるってこと忘れてない?」



忘れかけていたみんなの存在
亮太くんの一言で現実に引き戻され・・・



「ちょっ・・・みんな見てるからっ!」

「別に気にしなくていい」

「いや、気にしてくれ!・・・というか
気にしろ!!」


結局は自分で墓穴を掘って恥ずかしい思いをするはめになってしまったのだった

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