Long Novel

□・Prelude
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「一磨、義人!今度のドラマのヒロイン
美季ちゃんで決定だそうよ」



ケータイを片手に楽屋へに入って来た
のは俺たちのマネージャー



「ありがとうございます」

「分かりました」


「え、なに?2人とも、美季ちゃんと
仕事、一緒なの?いいなぁー」



翔が羨ましげに話に加わる



「元々、あなたに来ていた仕事だった
けど、スケジュール的に厳しいから、
義人に変更して貰ったのよ」

「嘘だろ!?なんとか調整して、俺に
できなかったの?義人ー!今からでも
いいから俺と代わってー」

「無理」



即答



「2人とも表に出さないだけで、美季
ちゃんのこと好きだからね。もちろん
俺もだけど」

「文句言わないの。それに、ドラマに
出れるくらいの余裕があるなら今後の
ダンスのレッスンには無遅刻無欠席で
参加できるわよねぇ?」


これはマネージャーが抜かりないのか
翔が墓穴を掘ったのかは一目瞭然


「えっ!そ、それは・・・」

「2人は来週、顔合わせだから」



それだけを告げると次の仕事に向かう
べくバタバタと楽屋をあとにした




「翔ちゃんもバカだねー。自分で墓穴
掘ることないのに」

「だってぇー・・・」

「文句言うな。今までの行いが悪いから
こうやってツケが回ってきたんだろ。
マネージャーの言う通りドラマに出る
余裕があるなら、ちゃんろレッスンに
参加することだな」

「うわぁ!一磨までやめろよ!」

「・・・翔の母親みたいだな」

「ちょ、義人!母親はないだろ?」

「義人にまで言われるなんて。確かに
一磨はWaveの母さんだな」

「ほんとほんと。これからも宜しく!
一磨母さん」



いつもと変わらない日々
いつもと変わらないやり取り


こんな風に幸せすぎて、幸せだとは
気付けないくらい、幸せな日常が、送
れなくなるなんて、この時は誰も予想
できなかった




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