とある男と奇術師の話

□No.4
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「おぉ〜たっかいなァ」


サヤ達は予定時刻通りに三次試験会場へと到着していた。


しかしその場所というのが



高い高い塔の上。




思わず困惑する受験生達を前に、降りてきたマーメンが説明を開始する。



「ここはトリックタワーと呼ばれる塔のてっぺんです。

ここが三次試験のスタート地点になります

さて試験内容ですが……生きて下まで降りてくること、制限時間は72時間」



その言葉に受験生達は表情が固くなる。

説明を終えたマーメンは飛行船に戻ると、飛行船からスタート合図をした。

トリックタワーに残された受験生達は入口の見当たらない塔のてっぺんでただ呆然と立ち尽くす。



タワーの側面を見ても何かある訳でもなく。

無理だ、どうやって、とざわつき始めた受験生の中、一人の男が得意気に話し始めた。

その男は外側の壁のわずかな突起やへこみに掴まりどんどんとタワーを降りて行く。

「このくらいのとっかかりがあれば、一流のロッククライマーなら難なくクリア出来るぜ」

「うわすげ〜」

「もうあんなに降りてる」



あっという間に男はは下へと降りていく。

キルアとゴンが興味津々に下を覗き感嘆の声をあげている。



「わざわざ凹凸掴まなくたって飛び降りりゃいいのに」

「それが出来るのはサヤだけだとおもうケド♦」

「ヒソカだって伸縮自在の愛でなんとかなるだろ」





そんな会話をしているとバサッバサッと何かが飛んでいるような音が聞こえてきた。



「ぎゃああああ!」



そこ正体は馬鹿でかい怪鳥でタワーを降りていた男を捉えついばみ始めたのだ


「アレは可愛くねぇ。キモい……」


「(あれを可愛いと言ったら流石に主の思考を否定する……)」
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