氷帝中心[SS]
□長太郎が最近おかしい
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最近、どうやら長太郎がおかしい。
いや、もしかしたらいつもおかしかったかもしれない。だが、最近は特に変だ。
「宍戸さん...」
と、少し掠れた甘い声で近寄ってくると、長太郎がエッチをしたいサインだ。……それも、一方的に。
練習が終わり、部室で着替えている際、どうしても打ち明けたいことがあった俺は、隣にいた忍足に声をかけた。
「――で、なんや?宍戸が俺に相談やなんて珍しい事もあるんやなぁ」
着替えを済ませた後、誰もいない部室には俺と忍足のみ。長太郎には悪いが、先に帰ってもらった。
そして目の前にいる忍足は、雨でも降るんちゃうか?とからかってくる。それを気にせずに、俺は単刀直入に聞いてみた。
「別に惚気けるわけじゃなんだけどよ、その……最近、長太郎が変なんだ」
「例えば?」
からかう事をやめた忍足が、やや真剣な目でこちらを見つめる。
「自分から進んでフェラして来たり……」
「ええやんか。がっくんはフェラは嫌いだってしてくれへんで?」
「いや、ずっとフェラばっかりなんだよ。ずーーっとフェラ。俺のチンコばっかしゃぶってる状態で。ちっとも挿れさしてくれねぇし……」
と、言いかけた所でふと忍足を見ると、俺を訝しむような目を向けていた。
「んだよ」
「いや……羨ましいのと、あとそれ病気ちゃうん?それともそんなに御主人様のおちんちんが美味しいん?」
「し、知らねぇよ」
「それと挿れさしてくれねぇとか、お前何様やねん。そんな発言はやめとき。……相手のためにもな」
「…………あぁ」
正直、長太郎の口の中はあったけぇし柔らかい。んでもって激気持ちいい。
もちろんそんな所を口でしてもらうなんて長太郎だけだけど、俺だって分かることがある。
「……でもなんか、長太郎のフェラがやたらうめぇ。だから俺以外にやってたりしたら……」
思わず言葉に不安を乗せ、小さく呟いた。
「それはないやろ。宍戸ラブ人間やのに浮気やなんて」
「信じてぇよ、俺も」
長太郎が俺を信じてくれてるように――。
忍足との会話を終え、部室から出て、校門の方まで歩いて行けば、そこにいたのは、中学生とは思えないモデルのような体型の――……
「長太郎!?先に帰ったんじゃ……」
「宍戸さんと一緒に帰りたくて、ずっと待ってました」
女子が一発で惹かれる完璧な笑顔を見せられ、俺がついさっきまで長太郎への不満を垂れていたことに、罪悪感を感じる。
「ありがとな、長太郎」
「……あの、宍戸さん」
少し掠れた甘い声。もしかしなくてもこれは……。
「宍戸さんの……食べたいです。…………公園かどこかでさせてください」
潤んだ熱っぽい瞳で、制服の二の腕部分を掴まれ、こんな顔をされては、俺はもうノーと言えない。
結局流されて、長太郎と公園まで来てしまった。
「ほ、本当にこんな所でするのかよ...!?」
薄暗い公園のベンチに俺は座らされている。見つかったら公然わいせつ罪か何かで捕まるんじゃないか、なんて思いが頭を駆け抜けて行く。
「大丈夫です、早く終わらせますので」
きっと長太郎は優しい笑みを浮かべているのだろう。地面に膝を立てている長太郎はベンチに腰掛けている俺のズボンのファスナーに手を掛け、ジーという音を立てて下に降ろしていく。
そして、まだ何の刺激も与えられていないそこに、下着の上から舌を這わせた。
「っ...」
なんとも言えない感覚に、俺はぶるりと身震いをする。
「ふふ、少し濡れてる」
「お前が舐めてるからだろっ……」
「そうですね、先走りかなーと少し期待したんですけど」
そういってチロチロと舌先で舐められたり、舌全体を使ってベロンと舐められたりと、下着の上からでも感じる舌のざらつきに、逃すまいと快感が迫る。
「もう硬くなってきましたよ。布越しに舐めてるのに、敏感ですね」
「るせっ……」
長太郎の赤い舌が動く様子を見ているだけでも、どうにかなりそうなくらい興奮していた。
下着の中でどんどん体積を広げていく自身は、早く開放してくれと言わんばかりに張り詰めていた。
「長太郎っ、もう……」
「苦しそうですね、随分勃ってますよ」
「もう脱いでもいいか……?」
「ダメです。俺が脱がしてあげますから」
そう言いながら長太郎は、俺のズボンと下着を膝くらいまで下げ、俺は下半身を露出した状態になった。
「じゃあ、いただきまーす……」
勃ち上がった俺自身を片手で掴み、長太郎は自分の口の中にゆっくりといれていった
柔らかい口内。ねっとりとした舌が絡まり、唾液のせいかわざとなのか淫らな水音を立ててしゃぶり始める。
「長太郎……、ここ外だし、音出すのやめろっ……」
「嫌れふ」
「っ……!」
口に含んだまま喋るなと言いたかったが、気持ち良すぎてどうでもよくなってきた。
「駄目だ、もう出るっ……!顔離せ、長太郎っ……」
だが、長太郎は顔を離すどころか突然自身をチュウッと吸い、俺はあっけなく長太郎の口の中に白濁を出してしまった。
「げほっ、……ごちそうさまでした」
「の……飲んだのか?」
「当たり前でしょう?」
「長太郎くーん、あれは飲み物じゃないんだよ。……腹壊しても知らないぜ?」
「それくらい知ってますよ。大丈夫です、きっと」
俺はただ、説得力の無い赤い顔をして、満足そうに微笑む長太郎を睨むことしかできなかった。