氷帝中心[SS]

□手に入れたいよ、俺の天使
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「なぁ侑士ー、最近の宍戸と鳳どうよ」
「どう、って...もうあれ完全に出来とるやろ」

いつものようにコートで測定をしていると、2人について向日と忍足が会話しているのが耳に入った。
関東大会終了後、宍戸と鳳の仲は更に良くなっていた。ただの仲の良い先輩後輩と言うよりも、恋人同士に近いような行動が目立った。

(あぁ、悔しい)

こんなにも鳳のことが好きなのに、他の人と...よりによって、宍戸とイチャイチャしている所を見ていることしか出来ないなんて。

(一度でいいから手に入れてみたい)

鳳の嫌がる顔なんて見たくない。だけど、もういっそ嫌われた方が諦めがつくかもしれない。1度だけ、1度だけ.....
「長太郎!」

俺は我に帰り、ハッとして顔を上げると、コートのどこかから突然聞こえてきた宍戸の叫ぶような声。周りの雰囲気も何やらおかしい。すると、遠くのコート上で倒れ込んだ鳳の姿を見つけたのだ。

「なっ...」

声が出なかった。なんとか起き上がった様子の鳳は鼻と口を手で覆って俯いていたが、その手には真っ赤な血がついていた。更に服にも血が付着し、何とも痛々しい姿だった。鳳の近くにいた宍戸は保健室へ行こうと促したのか、2人は保健室の方へと消えていってしまった。

(鳳の流血は宍戸がやったのか?)

そう思うと、怒りに似たような感情が湧き上がってきた。

(宍戸さえ居なければ俺が)

悶々と考えてるいると、そのうち宍戸だけが戻って来て何やら跡部と会話をしていた。宍戸は事情を説明したのか、跡部との会話が終わると忍足と向日の方へ向かい、練習を再開していた。普段保健室には誰かしら先生がいるので、鳳を預けて来たのだろうか

チャンスだ

俺は思うままに保健室へ向かっていた。きっとおかしくなっていたのだ。自分では止めることの出来ない思いは、確実に暴走を始めていた―――・・・



「失礼します」

冷房のついた涼しい保健室に入ると、イスに腰掛けた鳳を発見した。

「鳳、大丈夫?」

優しい先輩を演じて近寄る。鳳は「ただ鼻血が出ただけですよ」とにこっと微笑んだ。鼻血は止まっているようだが、きっと宍戸が鳳の顔面にボールをぶつけたに違いない。

「滝さんはどうしてここに?」
「うーん、ちょっと熱中症ぎみでね」
「えっ!?だ、大丈夫ですか?」

さらっとついた嘘なのにこんなに心配してくれるなんて。やはり心優しい天使のような人間だ。俺はニヤけそうになるのを必死で堪えた。

「そうだ、熱中症ぎみになってる俺が言うのもなんだけど、熱中症になりにくい"ツボ"があるって知ってた?」
「そんな"ツボ"あるんですか?」
「うん、あるから後ろ向いて両手を差し出してくれない?」

そんな"ツボ"なんてあるはずが無い。俺の言うことに素直に従って後ろを向いた鳳。俺は近くの机に置いてあった包帯を手に取ると、鳳の両腕を縛るように巻き付けた。

「えっ」

慌てる鳳を無視してどんどん包帯を巻いていく。偶然にも保健室に誰もいなくて本当に神に感謝している。鳳の両腕が完全に動かせなくなった所で、保健室の鍵を閉め、カーテンも全て閉め切った。

「鳳、怖いこととか何もしないからベッドに横たわって」
「で、でも...」
「早く」

いつもと違う先輩の態度に萎縮しているのか、言われた通りに、不安そうな表情でベッドの上に仰向けになって横たわる鳳。大丈夫、怖くないからとなだめるように呟きながら、俺は鳳に馬乗りをした。

「ねぇ...今から何すると思う?」

突然の問いかけに鳳は少し考えた後、「わかりません...」と答えた。

「最近宍戸と仲いいね」
「...」
「寂しいなあ。鳳がレギュラーに入る前は俺の横にいたのに」
「す、すみませ...」
「どうしてかなぁ、宍戸のどこがそんなに良かったの?何をしたらそんなに仲良くなれるの?」
「滝さん、俺そろそろ練習に...」
「どうして離れていったんだ!俺から!」

俺に馬乗りされている後輩はビクッと大きく肩を揺らした。そしてその大きな目に、かすかに涙が滲んでいた。だがそんな鳳に構うことなく、股間部を乱暴に鷲掴みした。

「痛っ...!」
「本当に仲がいいよね、宍戸とこういうことしたの?」

スボンの上から乱暴に扱われ、鳳の目からは涙がこぼれた。まだ泣くのは早い。こんなもの、まだまだ始まったばかりに過ぎない。俺は少し腰を浮かし鳳のズボンを下着ごと下まで一気に下げた。

「...!み、見ないでください...!やめてください....!」
「ふふ、すごく大きい。とても13歳のサイズとは思えないや」

涙を零しながら鳳はいやいやと首を振る。顔を真っ赤にし、やめて欲しいと懇願したそうに俺の顔を見ている鳳。本当に可愛い..
「泣かないでよ」

片手で頬を撫でてやり、片手で性器をゆるゆると上下してやると、途端に変則的な呼吸に変わったのが伝わった。俺の手で扱かれて、感じているのだ。

「ねえ、どうして何も言わないの」

先端を指先でツンと突いてやれば、大きく身体が跳ねた。乱れる呼吸、とめどなく溢れる涙。それなのに、鳳は声を発しようとしない。

「...宍戸以外に触られるのは嫌?」
「...」

悲しいことに、鳳はこくり、と頷いた。悲しい、悲しい....どうして宍戸には勝てないんだろう

どうして

「おーい、長太郎!」

ドンドンドンと扉の叩く音。

(まずい、宍戸の声だ。)

「宍戸さん...」

鳳が小さな声で宍戸の名前を呼んだのを聞き逃さなかった俺は、思わず鳳の口を両手で覆っていた。鳳は苦しそうに足をバタバタさせたが、それも虚しく

「ん、鍵が閉まって...もう出てったか」

と、宍戸は去っていってしまった。それに絶望したのか、鳳は更に涙を流していた。流石に可哀想なので手を退けてやれば、涙だらけの顔で「宍戸さん...」と呟いていた。

嗚呼、

カナワナイ


「ねぇ、そんなに宍戸がいいの...?俺に、俺にしろよ...」

悪魔でも取り憑いたのだろうか。俺は、再び鳳の性器に手を伸ばしていた。
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