氷帝中心[SS]
□手に入れたいよ、俺の天使
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中二 春
俺は一目惚れをした。
入部してきた1年の中でも少し背が高く、ふわふわとした柔らかそうな髪に、愛らしい顔をしたその子に。
そう、鳳長太郎だ。
男が男に一目惚れをするなんて、と何度も何度も考えた。だが部活の度に、
廊下ですれ違う度に俺の胸は高鳴っていた。
気に入って貰いたくて、いい先輩を演じて鳳に近づいた。
「偶然お菓子が残ってるんだけど、良かったらあげようか?」
2人の会話と言えばこんな程度だった。それでも「いいんですか?ありがとうございます!滝さんは優しいですね」と言われると、俺は心の底から舞い上がった。