氷帝中心[SS]
□聖夜は二人で迎えたい
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「わぁ、積もってる」
鳳長太郎はリビングの窓から外を覗き、子供のような声を上げる。
「あら長太郎、今日は休みなのに早いのね」
後ろから飼い猫を抱いて姉が声をかけてきた。姉はにっこり微笑み、
「もしかして宍戸さんとお出かけとか?」
どうやらお見通しのようだ。鳳ははにかみながら、「そうだよ」と答える。
「じゃあ俺、宍戸さんを待たせてるからもう行くね」
慌ただしく玄関を飛び出す弟を眺めながら、姉は「上手くいくといいね」と猫に話しかけた。