おはなし

□告白のお話/sk
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付き合ってない/緑Side




「ねぇ、小山」

二人っきりの楽屋

「んー?」



「すき」

それはもう、ずっと前から

「ふふ、俺も」


でも、きっと、俺と、小山のすきは違うんだ

「ほんとに?」

「うん、ほんと」

「どうゆうイミで?」

「どうゆうイミって?」

「俺はね、」

向かい側に座る小山に触れるだけのキスをする


「こういう、すき」



すると小山は、ちょっとだけ驚いたような顔をして

「へへ、くすぐったい」

ふにゃっと力んでいた表情を崩す。

可愛いなぁ、


「なに、激しいのがよかった?」

「ちがうよ」

……、ちがうのかぁ
よかった、っていってくれたら、もっと、なんていってくれたら。

そんなあり得ない妄想

「…俺は、」


俺は、そのあとに続く言葉だって、どうしてもマイナスなほうを考えてしまう。
もう、いろいろ押さえられなくなって出てしまった言葉。
拒絶されたらどうしよう、小山に嫌われたら生きていけない。
時間は巻き戻せない。言葉は取り消せない。
時間にしたら一瞬のことだけど、いまだけは何分、何時間にも感じる。

気持ち悪いっていわれるかな、そんなことが頭に浮かぶ。

そんなとき、ガチャリと楽屋の扉が開いた。


「小山さーん、出番でーす」

「あ、はーい」

「ぁ…」

いま、答えがもらえなければ、俺はもう、恐怖と切なさで押し潰されてしまう。
ただ、後悔だけが残る。

「ふふ、俺もね」

静かに扉が閉ざされる。
すらっと伸びる小山の腕とあしが近づいてくる。

俺の目の前で止まると、そっと前髪を上に持ち上げ、ちゅっ、と音をたてた可愛いキスをされる。

びっくりして小山のほうを見上げると、少し赤らんだ顔で


「こういう、すき」



End…→
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