□番外編
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・おまけ




「そういや新婚旅行とか言い出すと思ったけど大人しいな」


あの日から1週間が経ったが、元から半同棲しているし休日も一緒に居たので変わらない日々を送っている
だから実感する為に旅行に行きましょう、とか擬似結婚式しよう、とか言うと思って身構えていたので拍子抜けしている

「新…婚?」

夕飯の準備をしていた天は手を止めて驚いた顔でこちらを見ていた

「マジか指輪渡して告白したのに別の意味で捉えたか」

「いえ!確かに愛の告白と受け取りました!」

鍋の火を止めてこっちに向かってくる天
顔は真っ赤
ソファーに座っている俺の横に座り、自分の手のひらを頬に当て言った

「て、てっきり恋人の方だと……」


は?

俺はプロポーズしたと思っていたが、天はただの告白だと受け取った

つまり天は恋人として1週間を過ごした訳だが、俺は夫婦だと思って……


「ど、どこ行かれるんですか!」

「そうだ死のう」

「ダメですよ!!」


俺達は凄い恥ずかしいすれ違いをしていた
これはもう川に飛び込んで全身を冷やしながら死ぬしかない

「だってまだ恋人でも無かったからそう思うじゃないですか!」

「そうだよな!俺の言い方が悪かったよな!!」

出ていこうとする俺の服の裾を引っ張って止める天の手を取り、真剣な顔で向き合う

「俺と結婚してください!」

「い、嫌です!」

「嫌です!!?」

「もっとロマンチックなシュチュエーションで言って欲しいです!!」

少女漫画で見るようなシュチュエーションで!!と抗議してきた天

「ふられたから俺らは恋人って事になるんだな…」


天からすればそのままなのだが

「それも嫌です!」

「どういう事だ!!」

「プロポーズはまだだけど関係は夫婦って事で!!」

「ど、どういう事だ!?」

なんだかよく分からないがとりあえず俺達は結ばれて、俺はもう一度プロポーズをし直すって事か

どうしようもう指輪渡したし次はなにをすればいいん
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