□過去拍手お礼置き場
2ページ/2ページ

※天が女体化しています。





「は?」


朝起きて最初に感じたのは違和感。体調が悪いとか、眠気が酷いとかじゃなくて……。
違和感をそのままに、身支度する為洗面台へ向かう。今日は休みだから名無しさんさんの家へ掃除しに行かなきゃ。
しかし洗面台にある大きな鏡は自分では無い……いや、自分なのだがそうでは無いものを移している。

ムニッ

鎖骨より少し下。つまり胸の辺りで触り慣れない柔らかさ。
目はくりくりと大きく肩幅も小さい。
頬も、指も全身全てが丸くなっており


「……女になってる」


。。。



「それは大変だ」

なんで病院じゃなく家に来た。

「とりあえず既成事実から始めようと」
「うーん、帰れ」

合鍵持ってるはずなのにチャイム鳴らすから何事かと思ったわ。
いや大事だったんだけどさ。
家に天を入れ、掃除は終わっていないが天の一大事だから止めて掃除機を片付けに行く。

「これくらい……?もう少し大きい方が……」
「馬鹿」

何見てんだお前は。

「隠し場所変えたはずなんだけど」
「名無しさんさんの事はなんでも把握してますから」

の割にはエッチな写真集の女の子と胸の大きさ比較して俺の理想を調べてんじゃねーか。
自分の服なのにダボダボになったシャツを張り、胸を強調させている。確かにそこには膨らみがあるが……

「ちっさ」
「殺しますよ」

写真見てこれくらいって言ってたけど全然サイズ違うんですけど。スリーカップくらい違うんですけど。

……いやでもおっぱいなんて気にならないな
家に来て邪魔になったのか全部脱いだ下の服。
女になって磨きがかかった白く細い足がとても眩しく、ムッとした顔も唇や頬がふっくらしていてなんというか……


「目に毒」
「むっ!現代の天使見てそれ言うんですか」

違う。精神的に良くない物って意味じゃなくてさあ……
童貞とかそういう訳じゃないけどこんな美少女自分の部屋にいたら緊張するよなあ。

「おっぱい揉みますか?」
「おっと話が変な方向へ飛んだ」

揉むけども。
しかしシャツの上から手を這わせて揉むが全然揉めない。小さすぎて指先でしか感触を楽しめない。

「ボク、女性の胸って初めて触りました」
「初めてが自分って」

かわいそうに。かわいそうなんだが俺のたくましい胸を揉むその手はなんだ。

「名無しさんさんの胸硬い……」
「胸筋と呼びたまえ」
「女性の胸は……男性の玉に感触が似てますね」
「うっ」

思わず揉む手が止まる。意識した事無かったが確かに……。
知りたくなかった。布団干したお日様の匂いはダニの死骸の匂いと同じ位知りたくなかった。

「……戻らなかったらどうしましょう」


俺の胸を揉む手はそのままに、目を伏せながら天は言った。この容姿ならアイドルは続けられるだろうが、いきなり女になったなんて誰も信じないだろうし、九条天は今まで性別を偽っていたとか言われかねない。

「まあ、そんときゃ全部捨てちまえ」

俺が帰ってきたら毎日おかえりなさいって出迎えてくれればいいんだよ。
そう伝えれば、天は嬉しそうに微笑んで

「いででで乳首抓らんといて」

俺の乳首を捻りあげるという謎の行為。俺男だから乳首性感帯じゃないって言うか、ここまで力いっぱい捻られたら女性でも痛いだろ。

「俺の乳首にオイタするんじゃない」
「このままセックスの流れかと……」
「なんでだよ」

だって名無しさんさんの本に描いてありましたよ。天が開いて見せたのは親友が女体化しちゃったよ系の話が載ってる本。
ちなみにそれは俺の本ではなく友達が置いていった物だ。

「1発出せば戻るんでしょう?」
「そんな都合のいい……!止めろ無計画妊娠は嫌だ!!」

1日!1日寝て戻らなかったら試そう!!
その言葉に納得したのか俺の必死さに1日猶予をくれたのか。渋々了承して唇尖らす天に安堵のため息。
明日戻ってなかったら強制的に病院連れてこう。


「二度寝って事で1回寝るか」
「起きたらするんですか?」
「そう、起きたら掃除再開するから」
「あっはぐらかされた」


前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ