短夢

□【FGO】アンデルセンと作業員
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※色んなサーヴァントもロマンもいる。でも時折聖杯に呼ばれ時代を正すためにレイシフトする都合のいい世界
作業員主




「疲れた……」

ダ・ヴィンチちゃんも無茶言う。藤丸が気になる代物を持ってきたからって三徹してやっとで解散なんて……ダ・ヴィンチちゃんはサーヴァントだから体力あるかもだけどただの作業員の俺達は身体がもたない
明日も朝から集合とか言われたけど知らんからな

「収集されたの俺だけだからボイコットしてやる……」
「とはいう癖に明日になれば行くんだろう?」
「そりゃ給料貰ってる身ですし……」

あーあ社会人は辛いよ
部屋のパスコード入力してふと気付く。俺は誰と話しているんだ

目線を下に下げれば鮮やかな青色の髪がふわふわ揺れているアンデルセンがいた。いつもの白衣もメガネも取り、ついでにいつもの服も脱ぎ完全に寝る時の格好である

「……何してるんですか先生」
「どうした。早く入れ」

では遠慮なく

普通に部屋に入った瞬間疲れた身体を無視して素早くドアの開閉ボタンを押せば、アンデルセンは見越していましたと言わんばかりに滑り込んで来た

「馬鹿め!お前が締め出そうとするのくらい目に見えている!」
「なんだ今の動き普段の戦闘でも見ないぞ!」

鼻を鳴らしてドヤ顔するアンデルセンの顔を見ながらもう1回ボタンを押すと、意味がわからないという顔でドアを見る

「ドアを開けてどうした」
「いや出てけって意味だよ」

こんな疲れた日に先生の相手してらんないし。流石に言いはしないがそう含ませて視線を送るがアンデルセンは動く気配がない

「せめて休みの時に来るかアポ取って来てくださいよ……」
「マスターからの許可は貰ったぞ」
「藤丸になんの権利があって許可したんだ」

そもそもなんで許可したんだ
ため息吐きそうな俺の前に出されたのはアンデルセンの人差し指。正確に言えば1をさす人差し指がたった手
なんだこれ

「1週間だ」
「はぁ?」
「締切を1週間早める代わりに名無しさんと同衾するの許可を貰った」
「書き上げたんです?」
「だからここにいる」

同衾って言い方よ……その言葉は暗喩としてどう使われているか知っていて使っているのか分からないが真相が怖いから聞かない
知ってて求められたら嫌だし

後で誰かに回収しに来て貰おう。でもその前にシャワー浴びたい







「遠慮というものを知らんのか」

シャワー浴びて戻ったら人のベッドで大の字とか

「俺の体型ならこのベッドに対してかなり余裕がある。つまり俺の存在そのものが遠慮だ」
「俺が寝るスペースを奪っておいて何が遠慮か」

1秒でも早く寝たい俺はお構い無しでアンデルセンの胴体を押して場所を確保。押してる時アンデルセンが軽く抵抗したのでそこまで確保できずかなり密着するハメになったが


「ピロートークでもするような距離だなぁ名無しさん?」
「いーから寝てください」

事後でも無いのにするかっての


「そもそも先生生前もピロートークした事無いでしょう」
「ぐっ……!!」

自分で生前から童貞だと言ってたもんな。その場にいた訳じゃなくてそう言ってたって藤丸から聞いただけなんだけど

「い、今からでも遅くは無いだろ」
「英霊化してから経験するって……」
「うるさい!!」

もそもそ動いたアンデルセンは上半身を起こし俺の体の向きと腕の位置をセットしてから俺の腕に頭を乗せた

「……」

お互い顔を合わせるどころか目も合わせて無言。いや、アンデルセンははくはくと口を動かして何か言おうとしているが言葉が出てこないらしい

てかそもそも

「経験するのってピロートークの方なんですか」
「そっ……!んな大人の魔力供給なんていきなりできる訳無いだろうが!!」
「大人の魔力供給とは」

女子が良く使う情事の隠語か。セッセセみたいな


「じゃあ俺から話しますよ。むかしむかしある所に」
「ほう、遠い国で言う寝物語と言う奴か」

寝物語は男女間でするものだからちょっと違うけどまあ良いだろう

「ピロートークとは違うが……俺の聞いたことない話なら続きが気になる。言ってみろ」
「桃太郎が鬼を倒して平和を取り戻す」
「いきなりオチを言う奴があるか!誰だ桃太郎!!」


いやホント控えめに言って死ぬ程眠いから勘弁して……

アンデルセンが使ってない方の腕でサイドテーブルを漁れば薄くてでかい感触
続きを要求してくるアンデルセンにそれを渡せば察したように電源を入れた

「話し始めておいて自分で検索しろとは……」
「明日早いし寝かせて……」
「……ふん」

流石見た目は子供頭脳はおっさん
見た目はいい歳してるくせに不敬だなんだと言ってくる色黒や、見た目の良さを使って利用してくる小さい赤と黄色とは違って物分りがいい。ありがたい

電気を消して本格的に寝る体勢に入ろう。目の前の電子機器による光が気になるが、三徹の俺は泥に沈むように意識を落としたーーーー


「む、動画もあるのか」


……いや文字だけ見てください
その音楽聴くと龍に乗った子供が頭を過ぎるからやめて……

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