文スト長編

□第一章
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その日の天気は私の気持ちとは裏腹に酷く晴れ渡っていた




晴れやかな空。吹くは明けてまもないにしては暖かな風に吹かれ長い黒髪が空を泳ぐ。



どうしてこんなにも清々しい空なんだろう






私は目の前に横たわるモノにもう一度会いに来た






確かに先程まで明るかった髪は辺りが建物に囲まれていて暗い所為だろうか、全体的に薄い黒が混じった様な色に変わってしまった。
そして、冷たい生地に触れる
もう息を引き取ったまま何時間か経ってしまった




紅華が咲き散り終わった


まるでそんな感じ






「また守れなかった。」





私は彼を庇い一度《死んでいる》が、全てを庇いきれなかった挙句。今に至る

既に着替えた私の衣類は切れていたり銃撃に耐えきれず所々穴が空いてしまっていたが、そこから見える青白い肌には傷一つ付いていなかった。




彼の体に手を重ねた時見えたその表情は幸せそうに笑みを真紅の線が垂れる中も笑っていた。






私は先週、彼から遺書の意を示した様な書類を受け取った。それを取りに一度帰り今、本当のさよならを言いに来た



遺書には、いつ死んでも可笑しく無いと言う事が何枚にも書されている物と絶対に見るなと更に厚手の袋に入れられた二種類の物だ。



前者の書類にはもし私に何かあったらポートマフィア本拠地に行き二階にある通信保管書から次の書類を取り出して欲しい。

・二十五年前ノ死者復活ニツイテ

・異能力 永盾ノ記録



そしてその二つを武装探偵社、太宰治と名乗る男に渡せ。






後者の書類に至っては本当に殆ど知らない。
入れる封筒が少し手紙を入れる袋の様だったという事しか知らない






もう一度嫌味な空を見上げて、見下ろす。






そして軽く息を吸い、一度に云う。








「ごめんなさい、お兄ちゃん。」




泣き止み、目元が腫れている中も私は堪える事が出来ずに雫を垂らした。
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