short story(1ページ)
□幸運少年、只今幸福につき。
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「...僕ってツいてないなぁ」
「何言ってるんですか、超高校級の幸運さん。この後に幸運が来るんでしょ?」
「そうかなぁ?だって...お金も払ってボタンも押したのにお釣りも商品自体も出てこないってねぇ...」
「あら、それはどうかしら?叩いてみましょうか」
私は鞭を取り出して、自動販売機を叩いた。
私は超高校級の奇術師。鞭は常に持っている。意味無いけど
叩くと、ピロリン、とサウンドエフェクトが鳴り、
当たった。大当たり。
「わぁ!すごい、すごいよ水無月さん!」
「あら、そう?それなら舞って呼んでもいいのよ?というか、これに関しては私がいたというあなたの幸運じゃないの?」
「確かに、水無月さんがいたからかも...って、え、僕みたいなゴミクズが君のことを名前呼び!?」
と言うと、狛枝くんは何やらブツブツ呟き始めた。仕方が無い。
「...凪斗くん?」
「ぅえっ!?な、何?」
そこまでのオーバーリアクションか、というツッコミは置いといて。
「大丈夫?缶、散らばっちゃったわね...」
「あっ、ごめん、今拾うね?」
「私も手伝うわ」
「えっ、そんな」
「いいの。私達は今、友達なんでしょ?」
まぁ、すぐに恋人になるけど?と言うと狛枝くんは少し頬を赤く染め、
そうだね。なんなら、
「今からなっちゃう? 恋人。」
本当に、本当に。
形勢逆転されてしまう。
「...喜んで。」
「...ふふっ、今日は最高の幸福日和だね!」