short story(1ページ)

□勝手な愛を受け止めて
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「...は?」

「いや、だから...愛って、なんだと思うかしら、日向くん?」

「い、いきなり聞かれても...そういう水無月はどう思うんだよ」

日向くんに愛とは何なのか、聞いてみたはいいものの、こう返されるのか...

「ぐぬぬ」

「なぁにがぐぬぬなんだぁ?水湊?」

拗ねる姿も可愛い、なんて言ったら怒るかな?

「いやいや、うふふ...愛っていうのは、個人的には」

「お互いに好きであること、だと思う。」

「...そうか」

「反応が十分に薄いわね」

「そう思うか?俺はそんな気はなかったんだけど」

「酷いわ日向君、残酷。」

「え、えっ?そこまで?わ、悪かったってー」

謝る姿も可愛い。

私達は友達。私の片思いなだけ。

私のは愛じゃないのかな

「俺は別に、愛してなくても、好きよりもっと好きであること、それが愛なんじゃねえのかって そう思うよ」

「...!そうね」

じゃあ私は 日向くんを

「...愛してる」

「?何か言ったか?」

...いや、この想いは。

まだ、伝えちゃ、だめ。

この想いはすべてが終わってから伝えることにしよう。

良い終わりでも、悪い終であっても。

「なんでもないわ。夜は冷えるし早く帰りなさい」

「なんだよもー、呼んだのはそっちだろぉ?」

「...そうね、ごめんなさい。じゃ、また明日、ね」

「うん、またな」

彼女は彼の気持ちには今日も気づかない。
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