名探偵コナン

□微睡みの中で
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工藤邸の書斎の片隅で微睡んでいると低くて優しい赤井さんの声に呼ばれ 顔を上げた

「赤井さん…?」

彼の名前を呼びつつ とことこと彼の傍に寄り ぎゅっと赤井さんの足に抱きついた

そうすると 脇の下に手を入れられ同じ目線の高さにまで抱き上げられた

「夏稀…探したぞ…」

優しく抱きしめられ肩口で囁かれ その腕に閉じ込められる

煙草の香りと微かに漂うお酒の匂い
苦手だったその匂いですら 赤井さんを思い出せる愛しい匂いに変わった

そう思えるほど長く赤井さんと共に私はいるのだ

赤井さんの首筋に鼻を寄せ 擦り寄るとより一層強く抱きしめられた

「赤井さん大好き…」

手足を赤井さんの体に絡め 全身で抱きついた

30cm近くは違う身長差などの体格差もあり 私がぶら下がっても赤井さんは平気な顔をしている

すごいなぁ…と思いつつ 赤井さんを見つめる

「どうした?」

私よりは遙かに大きい手に頭を撫でられ 安心してそっと目を閉じた

「コナンくんといたらまた事件に巻き込まれた…」

そう言えば あぁ…と苦笑され 抱き抱えられたままソファに座った

「大丈夫か?」

どんなに辛い光景を見たって赤井さんの大丈夫か?を聞けば 多少は楽になる

「大丈夫に見えます…? もう…赤井さんやコナンくんに出逢ってから事件に巻き込まれてばかりです…」

ムスリとして言えば すまない、と頭を撫でられた

しかしクスクスと笑われてはいた…

不貞腐れてそっぽを向けば 浅いキスを贈られた

「機嫌を直してはくれないかな?」

そう耳元で囁かれれば従う他はなく 大人しく体を預けた

「仕方ないですね…」

頬を膨らましたまま言えば それはよかった とまた笑われた

赤井さんの温もりに心が癒された
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