名探偵コナン

□大好きな貴方
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今日は久しぶりに逢える彼氏さん─赤井さん─とデートの日


昨日も待ち合わせ場所と時間確認したけど
赤井さん間違えてないかなぁ…
あの人たまに抜けてるとこあるから…
なんて思いつつスマホで時間を確認する


そしたならなんと1時間も前!
待ち合わせ時間は11時なのにまだ10時だった


(どうやって時間潰そう…)


一応待ち合わせ場所である駅の喫煙室を見に行くと
煙草を吸って人待ち顔をしてる赤井さんがいた


(えっ うわっ 赤井さんもう来てる!?
いつから来てたんだろう…)


まさか赤井さんがもう待っていてくれているなんて思っていなかった
煙草も結構短くなってるし…
待たせちゃって申し訳ないなぁ…
あぁでも煙草吸う赤井さんは相変わらずかっこいい…


(写真撮っとこ…)


パシャパシャ写真を撮っていると赤井さんの視線が私に向いた


花が咲くように笑う人ではないけれど
私を見てほんのり顔を緩ませ優しく微笑んでくれる人なのだ


煙草を灰皿に捨て 喫煙室から出てきてくれた


「お久しぶりです赤井さんっ!
お待たせしてしまってごめんなさい!
お元気でしたか…?」


駆け寄りながらそう言うと赤井さんが微笑みつつ答えてくれた


「久しぶりだな 夏稀 やることがなくて早めに来てしまっただけだから気にするな 元気だったよ 君こそ元気だったか?」


「ありがとうございます!
私は元気でしたよ?
ピンピンしてます!」


にへらと笑って言うと赤井さんはほっとした顔をした


(心配でもしててくれたのかな〜)


と思うと嬉しくなって緩んでいた頬が更に緩む


これ以上は女子として行けないレベルだ…
そう自分に言い聞かせ表情筋を引き締めた


くくっと笑う声がして赤井さんを見ると
何故か口許を押さえて肩を震わせていた


「君の表情は相変わらずくるくる変わるな…」


「む…赤井さんも結構変わりますよっ」


頬を膨らませ反論すると首を傾げられた


「ジョディ達にはそんな事言われないが…?
夏稀の前だから気が緩みでもしてるのだろうか…」


顎に手を当て真剣に考え出す赤井さん その表情すらかっこよく見える


(でも今日は早く行きたいな…
一緒に見たいものあるし…)


そう思ったので赤井さんの服の裾を引いた


「あの…行きませんか…?」


はっと我に返った赤井さんがすまなそうに


「すまない 考え込んでしまっていたようだ
行きたい所はあるか?」


と言ってくれた
さりげなく手を繋いでくれる赤井さんに心臓が潰れそうになる
やることがかっこよすぎる…


真っ赤に染まる私に赤井さんが首を傾げる


「どうかしたか?」

「な…んでもないです…… あ…行きたいあるんですけどいいですか?」


はぁ…ドキドキする
相変わらず手大きいなぁ…
指とか細いけどちゃんと長いし骨張ってていい感じ…


「あぁ 構わない
俺は特に行きたい所はないんだ…」


少し申し訳なさそうに言う赤井さんに微笑んで言った


「大丈夫ですよ
私はたくさん赤井さんと行きたい所がありますから」


少し緊張しながら赤井さんの指に
自分のそれを控えめに絡めた


「そうか」


赤井さんはとても穏やかな顔で微笑んでくれ
指をしっかり絡めてくれた


「ところでどこに行きたいんだ?」


「ふふっ 着くまでのお楽しみなのです!」


意地悪っぽく微笑むと赤井さんは苦笑いした


「君は本当に面白いな」


「それって褒めてます〜?」


むすりと頬を膨らませ問いかけた


「あぁ 褒めている
頬を膨らす君は本当に可愛いな」


そう言って真っ直ぐこちらを見つめる翡翠色の瞳に一気に顔が熱くなる


「なっ あかっ 赤井さん!? 何をっ!?」


驚いて口をパクパクさせる私
その様子を見てまた赤井さんは笑う


「君の表情全てが愛おしい」


「も…う…黙ってくださいっ」


悪戯っ子のような笑みを浮かべる赤井さん


あぁもう恥ずかしすぎる
真っ赤になってそっぽを向いていると目的のお店が見えた


「あ…あそこですよっ」


赤井さんと来たかったのはとあるアクセサリーショップ
シルバー系のアクセサリーが感じよくて一緒に見てみたかったのだ


「アクセサリー?」


きょとんとする赤井さんの手を引いてお店の中に入る


「ここのアクセサリー綺麗なんですよ
一度赤井さんと来てみたかったんです」


買うとかそんなのはどうでもいい
ただ赤井さんとアクセサリーを見るということをしてみたかったのだ
装飾品をあまり身につけない彼の好みが知りたくて


「ほぉ…なかなか綺麗だな」


呟きながらリングやブレスレット、ネックレスを見ていく


意外とこういったものに興味があるのだろうか?
とりあえず私はストラップなど身につけないものを見ることにした


赤井さんのお守りになりそうなものを探す
危険なお仕事だからね…
でも何もない方が支障きたさないかな…


(ん〜…悩む……)


考えこんでいると誰かが私の手を引いた


びっくりして思わず手を引っ込めて相手を見ると赤井さんだった


「なんだ赤井さんか〜…
びっくりしたんですけど〜」


不満気に言うとすまない、と素直に謝ってくれた


「まぁいいんですけど…どうしました?」


そっと赤井さんの手に自分の手を乗せた


「君の薬指のサイズが…いやなんでもない」


何やらごちゃごちゃ言いながら
じっと私の手を見つめる赤井さん


(まぁ 赤井さんだしいいか)


目的のものを探すため商品に目を向けた


しばらくして気が済んだのかよし、なんて言ってどこかへ行ってしまった
不思議に思いつつ今は赤井さんへのプレゼントを探すことが最優先なので頭の隅へ押し込んだ


(邪魔にならないもの邪魔にならないもの……)


小さくて軽い髪飾り……とかどうだろうか?
普段は髪は下ろしているけど気分転換になるかもしれない


(決めた)


どんなものにするか決めると色んなものが目についた
ひとくちに髪飾りといっても色々あるものだ


結構悩んでしまって時間がかかってしまったので
赤井さんを待たせてしまっているかと思ったが
まだ何か悩んでいる様子だった


(一体何を見てるんだろう…?)


とにかく赤井さんが見ていない内に
会計を済ませなければと思い、会計を済ませた
もちろん綺麗にラッピングもしてもらう


(赤井さん喜んでくれるかなぁ……)


買ったはいいけれどなんだか不安になってきた


綺麗なアクセサリーを見ながら待っていると赤井さんが来てくれた


「待たせてすまない」


「い〜え〜 大丈夫ですよ ここ綺麗なの多いんで飽きません」


そう言って手を繋いだ


「そうか ありがとう」


赤井さんは薄く笑みを浮かべ 手を優しく繋ぎ返してくれた


お店を出て外をぶらぶらしていると
雰囲気のいい喫茶店を見つけた


「ここ入りません? 休憩兼ねて」


「いいな 歩きすぎて疲れてないか?」


気遣ってくれる赤井さんに苦笑した


「実は少し…」

「夏稀は無理しすぎる所があるから気をつけてくれ…」


ため息をつかれてしまった


「はい…」


自覚はないのだけれど
とりあえず返事をしたら軽く睨まれた


…この人はエスパーか何かだと思う
喫茶店では赤井さんがホットコーヒー、私がホットティーを頼んだ
コーヒー飲めるってすごいなぁ…
私全然飲めないから… カフェオレすら無理なんです


「吸っても構わないか?」


ぼんやり考えていると赤井さんが声をかけてきた
煙草? もちろんいいですよどうぞどうぞ
そんな気持ちを込めて頷き スマホを構える


「…おい」


複雑そうな顔を私に向ける赤井さん


「なんですか?
早く火をつけてくださいそこ撮りたいんですから」


黙り込んでポケットから煙草を取り出し 箱から出して咥える
そしてライターを取り出し
左手でライターに火をつけながら 右手を煙草にかざす
息を吸いながら煙草の先端に火をつける
煙の漂う煙草を人差し指と中指で挟み 口から離し 紫煙を吐き出す


天井に向かって紫煙が昇る


(なんて綺麗な仕草なんだろう…)


肉眼でもしっかり見つつ 撮ることも怠らない
撮影はここまでにしてじっくりと見つめた


赤井さんは絶対に私に向けて煙草の煙は吐かない
それはどんなに気が緩み 寛いでいても同じ
無意識に身についたらしい その無意識な所が嬉しい


それはきっと心の底から私を大切に想ってくれるということだろうから


ちょうど飲み物が運ばれてきた
猫舌な私はまだ飲めないので端に置く
赤井さんは猫舌ではないようですぐ口をつけた


灰皿に置いた煙草の煙と合い絵になる


(…赤井さんはかっこよすぎる思う)


ぼ〜っ見ていると


「どうした?」



「あ…いえ 赤井さんってかっこいいな〜…と思いまして
何しても絵になりますよね」


ぼんやりしながら言うと驚いた顔をされた


「ありがとう…?
まぁ君はいつでも可愛いぞ
だが可愛い君に褒められるのは悪くはない」

「……っ!?!?」


声にならない声を上げ 目を逸らし俯く


絶対真っ赤になってる……


「照れているのか?」


不意に赤井さんの手が伸び 私の頬に触れた


優しく形を確かめるかのようにゆっくり何度も撫でた


避けることもできず ただ体を小さくして震えた


(なんか…手付きがエロい……かも…………)


急上昇する体温に追いつかない心
しばらくして手を離され 少し震える手で紅茶を飲む


ちょうどよくぬるくなっいて飲みやすかった
ふぅ…と一息ついて真っ赤な顔で睨みつける


「赤井さんのばかっ 変態っ エッチっ」


すっと赤井さんは目を細めた
やばい何か地雷踏んだ…かも……


「ほぉ… 恋人の頬に触れただけで変態扱いか…」


ここを出たら俺の部屋に行こうと付け加える赤井さんに青ざめる


やばい これは明日動けないパターンだ 死ぬやつだ


「あの えと…いや そのっ」


何とか取り繕おうにも時すでに遅し


「久しぶりだな 夏稀の乱れる姿を見れるのは」


楽しみだ、と妖艶に笑う赤井さんに背筋が冷えた




この後私がどうなったかなんて言いたくもない…
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