お前ら、準備はいいかァ!!(longdream)
□第3章転入生と大型犬(氷)
1ページ/5ページ
「…………おはよう?」
「おはようさん」
「なんで、いるの」
「跡部の指令や。ほな、行くで?」
「あー、はい」
扉を開けたら、変……………忍足がいました。………おはようございます、城川真です。
「…………にしても、なんで男子の制服なん?」
「…………家のクローゼットにこれしかなかったんだよ」
そう。今の僕はいわゆる男装少女。クローゼットを開いたら、男子制服がぽつんとあったんだよ………。他を探してもこれしかなかったんだよ。
…………あ、ちなみにマンションの部屋1LDKでした。………結構広かったよ。あと、貯金通帳が備え付けられてたテーブルの上にあったので、チラッと見てみたら50万入ってました。…………これは、一般中学生がもっていていい金額なのだろうか?
あと、家賃は城川時雨という人が払うことになってました。…………もしかして、あのお兄さんか?とか思ったけど、立証も出来ないので、とりあえずこの状態で甘えさせてもらうことにしたよ。あと、寝室の方を覗いてみたら、なんだか懐かしく感じた部屋でした。…………なんでだろう?………もしかしたら、轢かれる前に住んでいた部屋と似ているのかもしれない。
「へぇ。なんだか、自分の周りで起こることは不思議なことばっかやなぁ」
「本当にね。あー、ズボンだと足がスースーしなくていいな。………男装も捨てたもんじゃないねー」
「こっちとしては、女が男子の服装をしてるっちゅーのは複雑なもんやけどな。………しかも、見た感じは完全に男子やしな」
「………僕、中性顔だしね」
ああ、そうそう。思いきって鏡で自分の顔を確認したけど、本当に中性的な顔立ちだったよ。あと、この前宍戸たちが言ってたように、オッドアイでした。片方金色でびっくりしたよ。でもこれ、ジロちゃんは悪いことじゃないって言ってたけど、悪いことでしかないような気がするんだよなぁ。………片方金色とか気持ち悪いし。…………もしかしたら、前の僕も同じことを考えて目を隠す髪型にしたのかもしれない。
「…………自分、さっきから何を考えとるん?」
「ん?いや、なんでもないよ」
「そうなん?なんかあったら、そう「城川ちゃーん!!」……タイミング悪いなぁ……」
「おはよー、ジロちゃん」
「おはよー!あれ?男の子の制服なの?」
「制服がこれしかなかったんだよー」
「そっかー、なんか残念だC」
「あはは、しょうがないね」
「よう、城川にジロー」
「「あ、宍戸ー!」」
ジロちゃんと声を合わせて宍戸の方へ駆け寄る。宍戸ってなんかいいお兄さんって感じだよなー。
「なんで、お前男子の格好してんだよ」
「………やっぱ、皆聞くよね。…………何故かこれしかなかったんだよ」
「へぇ。お前の部屋不思議なことになってんだな」
「本当にね。まあ、スカートだとスースーするからズボンの方が嬉しいかな」
「ちょお、自分ら。俺を忘れてへん?」
「「「あ、いたんだ」」」
忍足、全然話に入ってこないからいないと思ってたよ。
「え、なにその扱い?!ちゅーか、城川ちゃんは一緒に登校してたやろ?!」
「いや、先にいったのかと思った」
「いや、自分方向音痴やん?!一緒に行かんと絶対迷うやろ?!」
「でも、宍戸とジロちゃんいるし」
「俺に頼ったってええんやで?」
「いや………それは……ちょっと」
「なんでひいとるん?!そんなに俺に頼るんは嫌なん?!」
「そうじゃないけど、なんか、嫌」
「やっぱ、嫌なんやん!!」
「朝っぱから騒がしいな。テメェら」
「あ、跡部ー!」
そして、ここで跡部登場。あれー、なんか周りがザワザワしてるぞー?
「………なんで、テメェがだ「その話飽きたんだけどなぁ」……俺様の言葉を遮るんじゃねぇ」
どうせ、男装の件でしょ?説明がめんどくさい。まあ、するしかないんだけどさ
「……これしかなかったんだよ」
「無視かよ。まあいい」
「こいつら、話が全く噛み合ってない…………!!」
「まあ、この二人だし仕方ないC」
「せやなぁ」
「そういえば、今日ミーティングがあること忘れてねぇよな?」
「「「…………あ」」」
え、ミーティング?………朝からそんなことを、するのか。…………一体何の部活なんだ?ってそうじゃない。
「………僕はこれから何処にいけばいいの?」
「………とりあえず、職員室やろ」
「職員室………」
…………一体何処なんだろうか。
「あー、下駄箱入って右の方向へ真っ直ぐ進めば分かるからよ」
「うーん、分かった。…………まずは、下駄箱で僕のロッカーを探すところからだけどね」
「そうだな。………まあ、頑張ってくれ」
「うん、頑張るー」
宍戸から色々と教えてもらったし頑張るとしますか。