お前ら、準備はいいかァ!!(longdream)
□第7章 そんな趣味はねぇ!!(立)
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「赤也ァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!シャツほっぽっていくんじゃないって何回言えばわかんだ!!」
「す、すんません!」
「おいニオ!!!サボってんじゃねぇ!!さっさと練習しろ!!!」
「お、おう」
「ブン太テメェ、部室を菓子のカスで汚すんじゃねぇよ!!」
「す、すまん……」
「……………なんと言いますか…」
「これは………予想外だな…………」
どうも、浅倉です。にしても、どいつもこいつもしっかりしてねぇ……………。これは、一回こいつらで掃除とかやらせたほうがいいんじゃねえか?
「ハァ…………、とりあえず赤也はシャツこんなかいれて、ニオは練習、ブン太はカスを片付けろ。ドリンク作ってくる」
なんで、アタシはこんなむさ苦しい集団のマネージャーをしなくちゃならんのだね。しかも、こいつら一応イケメンの部類に入るわけでしょ?めっちゃギャラリーいるし。……大抵こういうやつってさ………、
「……なにアイツ」
「やる気がないなら、やめろって話だよね」
「…ホント迷惑」
こういう輩がでてくるじゃんか。
言ってるのが、くそ可愛い女の子だから文句言えないけどさ…。
「ここの女の子、皆可愛いのに、性格が怖いわー」
ドリンクを作りながら、ぼやく。
昔……………いや、そんな昔でもないな。つい先日までいた元母校とはいなかったタイプの子たちばっかである。
「にしても………アイツら、これを一人で持てってどんな鬼畜ゲーだよ?!バカじゃないの?!」
…持つけどさ、20m一休憩で。いやいや、だって重いもの。何キロあんのよ?これ。軽く10kgはあんじゃないの?てか、これあと何往復すりゃいいんだ?これレギュラーのみで既に2周してんだけど?
「……ああ、明日は腰痛だな。こりゃ。はー、よっこらせっと」
「……ねえ」
「てか、アイツらちゃんとやったか…?やってなかったら、一発しめてやんねぇとな」
「ねぇってば!!」
「……はい?」
………どうやら、誰かに声を掛けられていたようだ。すまんすまん。
「どしたの?可愛いお嬢ちゃん?」
しかも、めっさ可愛いおにゃの子。アタシの大好きな女の子のタイプのど真ん中である。…………二次元って素晴らしい。
「おじょ…………?!」
「あらあら、照れる姿もかわいーね!さらに、タイプだわ!」
「何アンタ、レズなわけ?!気持ち悪い!」
あらら…………………。
「ああ、ごめん。前言撤回。どちゃくそ苦手なタイプだったわ。アタシはおにゃの子を恋愛対象として見ている訳じゃないの。遠くから愛でる対象として見てるの。恋愛感情とかいうくっだらないものじゃあない。勝手に決めつけないでくれるかな?おじょーさん?」
「んな…………?!」
「………お話はそれだけ?悪いけどこのクッソ重たいドリンクを野郎共までに運ばないといけないから、長話はまた今度ね?」
「…な、ちょ、」
「それじゃあ、おじょーさん、もう二度と会うことはないだろうけど、またねー」
あーあ、このおじょーさん結構見た目とかはタイプだったんだけどなぁ……。そういう勝手な決めつけして貶すタイプは苦手なんだよね。個人的意見として、法に触れる行為とかをした人間以外は貶しちゃいけないと思うんだ、うん。
「おーい、ドリンク持ってきたぞー」
「先輩ナイスタイミングっす!!!」
20m一休憩でようやくテニスコートに着いたところで、赤也がこちらに駆け寄ってくる。
「抱きつこうとするな!」
両手を広げて。
「先輩、かわさないでくださいっす!!」
間一髪かわしたため、赤也は抱きつき損ねる。
「男に抱きつかれる趣味はアタシにはないっての!!」
「じゃあ、趣味に追加してくださいっす!」
「なんでだよ?!」
ブーブー文句を言う赤也の言葉を反論していると、
「まあまあ、浅倉。そう、カッカすんじゃねぇよぃ」
ブン太が肩を組んでくる。
「ぎゃあああ!!!」
「叫び方が女子らしくないのぅ…」
「じゃあ、イヤァァァ…」
「………見事な棒読みだな」
「てかまず、じゃあってなんだよ…。言い直さなくていいだろ…」
「赤也と真田を除くお前ら、うっさい!……ったく、いじりやがって………」
「貴女の反応が面白いから仕方がないのでは?」
「そーだそーだ。触っただけで、すぐビクッてなるんだからな」
「感度が高いんじゃからしゃーないんじゃろ」
「感度が高いっつうな!!意味がちげぇよ!敏感肌と言え!」
「敏感肌も意味が違うぞ」
「るっさい!」
…………本当に休む場所がない。
「てか、お前ら練習しろ!!」
「なんじゃ、構ってちゃんなお前さんのために構ってやってたのに」
「誰が構ってちゃんだ!!お前らの方が構ってちゃんだろ?!ったく、そんな構ってほしいんなら、外にいるギャラリーにでも会話しにいってこい!」
「俺らに死ねと申すか」
「何処の人だよ?!それに、女子に話しかける程度で死なないだろ、常識的に考えて」