夜空にかざしたブーゲンビリア

□序章
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リンクで一曲を踊り終えた少年に、一人の少女が拍手を送った。
「ハラショー ポルチーラシ!やっぱり私の世界を一番理解してくれるのはヴィクトルだね」
少女はリンクに駆け出した。
そして彼に抱き着く。
「好き、あなたの演技が大好き!」
プラチナブロンドの少女はロイヤルブルーの瞳を輝かせて彼を褒めたたえる。
そんな彼女をヴィクトルは柔らかく抱きしめた。
「ありがとう。俺もエヴァの作った曲が大好きだよ」

「おいミラ。あいつ誰だ」
まだまだ新入りのユーリにはわからないこともたくさんあった。
「スケーターか?」
「違うわよ。あの人はエヴァ・ヴェシニコフ。ヴィクトルの幼馴染で神童って呼ばれてる音楽家」
「はあ?じゃあなんでここにいるんだよ」
彼はヴィクトルと二人でゆるく滑走する彼女を凝視した。
「ここのオーナーの親戚らしいわ。たまに遊びに来てるの」
「…変な奴」
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