おはなし。

□なかま
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いつからだったか、仕事の仲間だと男だと理解しているはずなのにただ話すだけ一緒に居るで心が跳ねるようだった。それが恋だと自覚してしまってからより一層ドキドキという言葉が似合うくらいになってしまった、男同士だとか気にならなくなるくらい

この感情が鈍感なあいつに気付かれる事はないのが嬉しいような悲しいようなよく分からねぇ、と考えては先輩に連れて来られた飲み屋で同じく連れて来られていた前野を見ながら思っていた
大丈夫だろうか、酔い潰れねぇだろうか。と心配そうに見ていると


「前野くんが心配?」
「は、べ、別にそんな事ないっす」
「そんな事言っても、目泳いでるよ」


声を掛けて来てくすくすと楽しそうに笑う鳥海さんには全てバレいるんだろうと思わずため息を漏らした、なーんでバレてんのか


「前野くん酔い潰れちゃったら達にお願いするからね」
「何言ってんすか、それだと前野が無事な保証ないっすよ」
「とか言って本命には臆病な達だからだいじょーぶ」
「…もしかして鳥さんが真っ先に酔ってます?」


ないないと手を振っているが少し呂律が回っていない、もうすぐで潰れそうかもしれない。と思うと再びため息をついた、同じ様な人がこの後続々と出てきそうな予感しかしない
そしてそれは見事に当たった、ほとんどは潰れて居るか疲れきって眠っているかのどちらかしか居ないこと居ないこと


「たーつう、飲んでなーいの?」
「飲んだわ、お前が飲み過ぎなだけだろ」
「そんな事、なーあい…」


絡んできた前野を適当にあしらおうとすれば、酔い潰れたのかぐったりと凭れかかってきた。何だこの拷問はと思いながら先程鳥さんに言われたことを思い出して、腕を肩に回させて前野を立たせて周りの先輩にお先ですと声を掛けて店を出た






(こっちはギリギリなんだっつーの)
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